なかよし2002年はるやすみランド感想

今回の増刊はとてもよかったです!春の香りがいっぱいで、多くの作品から素敵な音楽が流れてきたようです。

「青空、紙ヒコーキ」こういう作品を何年も待っていたような気がします。青春の切なさがいっぱいに詰まっていました!
好きだけど引っ越すから、というのは・・・切ないですね。せっかくの両思いなのに。
一転して乱暴なしぐさと口調、でも「サイアク」と怒っているのはまだ思い出として吹っ切れていないのでしょうか。
女の子たちがこういう話をしているの、いいですね。
本の裏表紙にしっかり描いてあるバーコードとISBNコード、芸が細かいです。
女の子がラブ話で盛り上がっているのを横から一言で冷え込ませた覚えは僕もあります。中三のころ、「夢というのはかなうと醒めるんだよ」と盛り上がっていた女子に一言、みんながなんとなく納得したのを思い出します。
同じですね。自分が苦しかったからうわついているのが・・・
でも、三角ちゃんのこれは・・・見ていて悲しくなります。人を好きになることを根こそぎ否定するなんて、何もかも全部思い出にして忘れるなんて!確かに人は忘れるから生きていける、というのもありますが、こんなに若いのに今を捨てるなんて・・・
そんなにあの失恋が辛かったのでしょうか。でも小六で告白できて両思いだったのですから、単にふられたり告白できなかったりしている他の大半よりずっと幸せですよ!
横須賀くん始め三バカトリオは面白いですね。しっかり「高校バラバラ」で中三だと確定させるのもうまいです。
好きなのに、それさえ・・・今から忘れようとしている・・・愛別離苦が辛いから愛情を形にしないで抑圧する、それが正しいとは思えないです。
この紙飛行機はごく軽い感じですね。渋いような、淡々とした語り口が不思議とあの頃の・・・卒業寸前の物悲しいような現実感がないような気分を思い出させます。
何の話だかやたらと大きくなって、転ぶところは笑えました。転ぶ一瞬静止状態で・・・悲鳴だけ、というのが想像させてうまいですね。
確かにくだらないですが、できたら面白いでしょう。そして、確かに公立中学校でこれをやられたら・・・教師や好調の立場に立って考えるとしゃれにならないです。この作品は徹頭徹尾生徒側からで教師は理不尽な抑圧者として扱われていますが、先生の立場になって考えると・・・最悪の場合将来が断たれます。
いきなりスパイ大作戦、それで同時に・・・始めから諦めることを前提にして恋心を押さえるのに苦労する態度、胸が痛いです。傷つかなくてすむ、さらに重大な・・・傷つけてしまったことで深く深く傷つく心配はない分賢明なのかもしれません。でも心の中で、なんで始めから諦めなきゃいけないんだよ!と叫ぶものもあります。
この極秘書類はちゃんとコピーして原版は返したのでしょうか?スパイを探す目に焦るのはいいスリルですね。
幽霊が舞っている冷たい顔はなんだか笑えました。すごい表情。
先生を困らせて構って欲しい・・・確かにその分析もありですね。「オレたちがいまのオレたちをおぼえていてーんじゃん」このセリフは胸をつかれました!そういえば、僕はあの頃(というか過去)の自分を否定的なことでしか思い出せません。こういう思い出があれば・・・
恋に落ちたエピソードは素敵ですね。それで絶望から・・・少なくとも光がともっているのに、その光まで捨てようとしている・・・
その疑問は彼女自信、ないわけではなかったようです。それで仲間に入れて、となるのは少しほっとしました。
カツアゲにしか見えないプリント集めは爆笑!堂々とやれば大丈夫、というのは考えたなです。日頃の行いもあるでしょうが。
もうすぐ成功なのに、友達に言ってしまったのには・・・危惧を感じました。この秘密だけは共有しなければいけなかったのに。
その重大な秘密を先生に言ってしまうクラスメートには、胸が悪くなるような怒りを感じました。男女差別と取られるかもしれない発言ですが、男子は・・・少なくとも僕はこういう秘密は、特に先生には多少の拷問や不利益では言いません。本人のためなら直接止めればいいですし、止めても止まらないようなら・・・裏切りは命に関わる場合でも微妙な最後の手段ですよ。
いつのまにかこの計画にかなり強く感情移入していたようです。
百面相を見ていると、別に感情が乏しいのではなく・・・すごく抑圧していたような感じです。
やっと大事なものをつかもうとしていた時に先生が、これは胸が締め付けられるようです。
卒業させない・・・私立ならともかく学校制度を知らないみたいですね。でも僕も中学生時代、自分に関わる法律を全部知っていたわけではありませんから、こういう脅しに引っかかってしまうのはやむをえないでしょう。
横須賀くんが「三角はここまで」と突き放すのは・・・優しさですが、彼女にとっては辛いでしょうね。
全部分かっているのに・・・でも、彼女の賢明さなら「学校を愛してるだけ」が通じないということも分かっていると思います。こうして泣いているのが本当の彼女なのでしょうね。
嫉妬・・・でしたか。それを認められるというのは大したものです。でも素直に許せない、胸の中の重苦しさが抑え切れません。
自分も変わっている、それを認めたのにほっとしています。
そして今までの諦念を捨て、感情を素直に爆発させて飛ばした紙飛行機に深く深呼吸しました。心の中の嫌なものがすっと出て、ただ・・・やるせない涙の元が残っています。
全部分かっている三バカその他二名、ちょっと笑えます。やはりイイ奴ですね。
大目玉は当然でしょう。先生方も大目玉・・・どころではないのですから。
紙飛行機に、一瞬心が空白になりました。そして・・・全身から言葉にならない感情が溢れ出しています。
紛れもなく最高傑作。こんな青春をどれだけ見たかったか。感動にため息です。

「リトルなちゅうv」どうしてこう、何もかもが可愛いのでしょう。骨抜きビームが作品全体から放射されています。
寮がある小学校とは面白いですね。
小人数の寮とは面白いですね。いい雰囲気です。
導入で、ぶつかったシーンだけで素早く関係をはっきりさせるのはうまいです。
130cmは確かに小さいですが、小さい子が好み(ロリコンという意味ではなく)の男子もいますよ。
桜並木を一緒に歩きたい、という気持ちはよく分かります。
幼稚園児は笑えましたが、確かにそう見えなくもないです。
バスケ部・・・プレイもかっこいいですし、ぜひ頑張ってください。中学で頑張ってくれたら、中学以降は描かないのであれば「Dunk Like Lightning」で・・・来年(「SLAM DUNK」原作の再来年、花道たち三年)の大和台や湘北の新入生としてとか・・・高校でも名門に行くような描写があったら今年の全国大会に使うかもしれません。
最近の「ちゃお」の増刊クラスでは男子がスポーツヒーローでもてる場合、女子はファンクラブに排除されて告白できないというパターンが見られますが「なかよし」ではないようですね。あ、でもこれ・・・恵くんがもてているとはどこにも描いてありませんね。
このお守りを渡すのは大丈夫でしょうか?あ、知らぬは本人たちばかりなりでもう公認なのかも。
ドキドキしているゆまちゃん、可愛いです。喜ぶ恵くんの笑顔もいいですね。渡せて喜ぶちびキャラも可愛い!
この宝玉は何でしょうか。まあ御神体になるような古代・・・というより日本にダイヤなどはないですから硬軟玉(翡翠など角閃石族鉱物)、水晶、黒曜石、その他輝石または真珠でしょう。
よく考えてみるとちいさくならないと、という願い事とはまったく違うぼやきに反応して問答無用にかなえるってかなりの早とちりでは?
ここからの展開はぽんぽんいいリズムで進んで、巻き込まれ型の楽しさがあります。
ほたるの美しさはさすがです。衣装もいいですね。
で、突然自分が小さくなった事に気づくのもうまい。いきなり大きくなった部屋の感じがよく出ていて柚真ちゃんの驚きがよく分かります。
ボケキャラですか、ほたるちゃん(ちゃんづけするほかない気がします)。独特の間延びした口調も可愛らしいので、声優に詳しければキャスティングして遊べたのに、と少し残念です。
別にわざわざ取りに行かなくても、小さいままなんとか恵くんに連絡してお守りを返してもらえばいいのでは?
ここからは見ていると可愛らしいですが、本人にはスリル満点の大冒険でしょう。
ほたるが運動不足なのも納得して笑えました。
ストローがまた笑えました!
しかしずいぶん複雑な縛り方・・・それに、この小さい体にとってはお守りの紐は荒縄に等しいような・・・ほどけるでしょうか。
この友達は「友くん」なのでしょうか。ぜひフルネームを聞いてみたいです。突然おごられて、多分驚くでしょう。
あ、これは両思いですね。好きだからこそからかう、というやつでしょうか。
少し惜しいのが、ここで・・・何か神頼みのむなしさに気づく方向での心の動きを描写して欲しかったです。確かにこの表情からも感じるのですが、モノローグが一言だけでもあれば・・・
見下ろすと・・・高さ約1m、柚真ちゃんたちの大体の身長は13cmぐらいで十分の一でしょうか?この状況を実際に「次元解析(物理量の次元を調べる方法。物理系が非常に複雑で可能な数学的完全解が見出されないとき、その系に対する情報を得るための手段として用いられる。〔法則を表現する式の両辺が、基本量に対して同じ次元を持つことを利用する〕)マグロウヒル英和物理・数学用語辞典 森北出版より。この系は容易に完全解が得られるが、次元解析で簡単な目星をつけることができる。実際には検算などにも使われる。」してみるととても面白いです。
実はこの高さで飛び降りても大丈夫と断言していいですよ。ヒントは「立方体で一辺の長さを十倍したら{底辺と平行に切った断面の面積}と{体積}がそれぞれ何倍になるか、つまり面積の単位と体積の単位は?」と、「ある高さから空気抵抗を無視して自由落下した場合の地上に落ちた瞬間の速度を求める運動方程式、それに1mと10mをそれぞれ代入。体重も計算して代入してみよ」です。ただし、とっさに計算できる自信はないですし、大丈夫だと分かっていても飛び降りる勇気が出るかどうかはその時にならないと分かりません。タイミングも難しくなります。
ほたるちゃんってボケキャラなのに結構強引ですね・・・ボケおっとりキャラに見えるけど、というのでとんでもない名前が出てきたのですが・・・白沢先生のHPのとあるイラストの子のお母様・・・なぜそんな連想を。
両思いはやはりいい、というのは・・・この結論が出る過程が少しはっきりしていない気がします。可愛い大冒険が主体になってしまったような、ここは少し残念。
このキスには降参です。なんでこういうきわめつけに可愛らしいことを考えつくのでしょう。軟体動物になったようにへにゃへにゃと脱力していきます。
夢と思うのは・・・確かに。あ、恵くんはいい夢を見ていないのでしょうか?
あ、この身長差はよく見るとすごい。
告白できずに真っ赤になっている柚真ちゃんは可愛いですね。恵くん、分かっていていっているのでしょうか・・・
最後の笑顔は素敵でした!この二人のこれから、楽しみです。
とにかく可愛かった・・・

「ヒトメボレ前線」騒動の割には全体に落ち着いた感じでした。あ、ヒロインのちやみちゃん可愛い!ちょっとくせのある髪が面白いです。ヒーローの安住くんも、人格的にきわめつけのカッコよさです。
一目ぼれ・・・僕も昔はするほうでしたからあまり人の事は言えませんが、そういう子もいるだろうなと微笑ましい気がします。
少し間延びした助けを求める声、なんとなく状況の異常さがキャンセルされました。
驚いた顔が面白いですね。見なかったことにしようとしているのも少し笑えます。「春一番のコマドリは願いごとをかなえることができる」という言い回しがなんだかメルヘンチックで素敵です。
一目ボレしたい、というのは・・・恋に恋するレベルなのでしょうか。
誰かが裏でしゃべっている、と信じていない・・・現実主義?面白い性格ですね。僕だったらとんでもない願い事をして、もっとひどい目に合いそうですが。
で・・・いきなり親友の女の子に、というのは笑えました!なに・・・これ・・・と考える暇もなく、分かった時には笑い出していました。
いきなりものすごい長身が出てきて驚きましたが、誠実で親切な感じが伝わってきます。「ごめん」と一々相手のことを考えて謝るの、僕もそういうところがありますが僕より相手の気持ちをよく見ている・・・
まあこの状況を見たら信じるしかないでしょう。
去年クラスメートだったのに記憶にない、それは・・・まあ僕もあまり人を覚えないですから人の事は言えないです。元々男子にそれほど関心がなかったのかも。
この身長差、なんだかいいです。両方の身長を知りたいです。ツムジを見られるのが照れる、というのも少し変わっていますがさっぱりした色っぽさがありますね。
日本でアメフトというのはすごい。いきなり親しくなっているのも面白いです。
なんで彼だけ大丈夫、というのは・・・考えてみるとすぐ分かることですね。
階段の上で隠れたり、窓の外に気づいたりする構図がさすがになんともいえずいいです。
この隠し方はすごい。危なっかしいところもある、とちやみちゃんのことを次々と知っていくのも楽しいです。
意識して、顔で・・・十分いい男じゃないですか!本当に彼女のタイプがどういうものか聞いてみたいものです。
一目ボレしたいと思った理由は少し苦笑・・・というか脱力しました。でも今僕も好きな人がいないですから、その寂しさは分かる気がします。
魔法だから意味がない、と・・・分かっているのに逆に一目ボレしたいと願ってしまうのは矛盾しているようですが、それは肩をすくめるしかないでしょう。
一目ボレ・・・確かにちょっと怖いかもしれません。でも、スタンダールの言う一切の条件がない「雷撃の恋」は確かにあると思います。ただ、相手にしては・・・互いに一目ぼれしない限り怖いかもしれません。僕は外見だけではないと思いますが・・・そこまでの恋はそうめったにないでしょう。この作品、読者が恋についてかなり深く考えてしまうかも。
男子と一対一で話すのが始めて、って要するにすごく奥手なのですね。
いいやつ、と言われて「そうじゃないかもしれない よ?」ここからの展開はドキドキしました!
激しく立ち上がってしまう動作、目を合わせられない安住くん、ちょっと息ができません。でも同じクラスで話したことがない、というのは相当安住くんも内気だったようですね。
素早く相手の雰囲気を読み取り、「こわいよな・・・ごめん」ととことん相手を思いやった言葉を・・・本当に優しいですね。
逃げてしまうのも、それだけ恋に恋していただけでリアルにとらえたことはなかったからでしょう。あまり現実を見ないで本当に現実にぶち当たったら怖くて逃げ出す、まあそんな時期は誰にでもありますよ。
結局おばちゃんにも魔法がかかっているのは笑えました。
のんきに出てくるコマドリには笑えました。全く罪悪感なし、遊んでますねこのコマドリ。この会話はなんだかすごく笑えます。でも鳥がしゃべるということは秘密のはずなのに平気でしゃべっていますね。
あと一時間ほどで魔法が切れる、ってもしちゃんと誰かに一目ぼれする魔法だったとしてもそれはそれで大騒動だったのでは?そちらを想像しても笑えました。
今度はカラス・・・カラスはしゃべれないのでしょうか?安住くんも大した運動神経です。
担ぎ上げて走るのは体が一瞬痺れました。いいシチュエーションです。ぎゅっとしがみついて身を任せているのもきゃーっとなります。
チャイムと同時に魔法が切れ、同時にコマドリも擬人化がなくなったのは笑えました。
階段を上って身長差をなくし、正面から真っ直ぐ目を見るのがまたいいです。
暖かくゆったりのんびりした雰囲気、そしてちょっと香りづけ程度で、それでいて最高の味つけのように全体を整えてくれる不思議・・・最近のあゆみゆい先生のオリジナル作品、やはり素敵です。この路線でぜひ本誌連載に復帰して欲しいです!

「春風郵便」寺田瀧雄宝塚歌劇作品集(TCAC56〜58)にあった「春風の招待」という歌を思い出しました。BGMにして読み返すとうきうきした気分がすごく出てきます。それでいてふわふわした、時間がゆっくり流れるような感覚があって素敵ですね。
冒頭の「春めきましてこんにちは!!」というあいさつが実に面白い。おてんばな春風も面白いですね。
足ががたがた震える、そんな気分を味わってみたかったです。
いきなり飛ばしてもらって、不思議だけどほうっとなって・・・「キヨミちゃんとこ」「なんで?」爆笑!
他人に読まれたら恥ずかしくて死ぬ、そんなものを人に渡すのもどうかと思いますが、誰もがやることというか若さの・・・だめだ、若さなどと言ってしまったらこっちが老けているということだ。僕だってまだ若いのに。
戸締まりをするのは少し微笑ましいです。
恥ずかしくて大切なこと・・・そういってもらえると、僕も持っている昔の自分を殺してやりたくなるほど恥ずかしい思い出も・・・大切なものになるような気がして少しほっとしました。
それで本人を届けるのがなんだか嬉しくなりました。よく壊れませんでしたね、自転車。チェーンが外れたのは、まあ素手でも直せるかもしれませんが手は汚れますね。
一瞬ためらってのアプローチ、なんだか可愛い。
春風で軽く祝福する優しさには心が温かくなりました。

「キミノハナ。」かなり掲載順はいいようですね。それなりに前回のアンケートがよかったのでしょうか。
全体を読んで・・・まさか、「桜トーン」を使っていない?この数えることなど考えもつかない花を全部一人で?すごいです。
扉では絵の安定感が増し、安心して読める感じになっています。そして空気の優しさはまた・・・言葉が出ません。
初めのページでかなり色々なことを語っていて、それも簡潔で・・・桜に藁まで巻いてあるリアルさがすごい。しかもその藁も伏線というのがまた。そして桜並木のある公園の暖かさと、その反面不思議と冷たい印象のあるマコちゃんと光司くんの後ろ姿の対照が気になります。
笑顔の祝福と、「枯れてしまった」という・・・軽くしか言えないほど深い絶望が胸を突きます。
今までのこの二人についても知りたいですが、すぐわかります。本当に仲がよかったのでしょう。その居心地のよさに安住していて、いやもしかしたらもうすぐ告白するつもりでいて・・・バレンタインデーはどう告白できなかったのでしょうか?色々気になります。
一転して激しく泣いて、すぐ「泣いちゃダメだ!」と自分を励ます、意地っ張りというか気が強いというか・・・そういう子なのでしょう。そして単純な前向きだけでなく、強くなければ、感情を外に出してしまったら光司に気持ちがばれてしまい、迷惑をかけてしまうから・・・?
この出会いはいいですね。「イタイ」と言われてついタンポポに謝ってしまい、どんなかっこいい男性かな?と思ったらランドセルというのはなあんだ、という感じで読者の期待をうまくひっくり返したと思います。中二の終わりと小学校卒業直後で恋になるとは、始めは思いませんでしたね。マコちゃんの驚いたような星はタンポポに誤ってしまったことに気づいてでしょうか。タンポポに謝る時点では、見方によってはこれからメルヘンにいくのかという期待も少し抱かせましたし、マコちゃんの感受性の豊かさもうまく出しています。
でもこの男の子すごくかっこいいです!上半身は決めているし、態度や雰囲気に男っぽい乱暴さがにじんでいるのに「祝卒業」の札とランドセル、そして半ズボンに軽いギャップがあります。
こうして女の子が怪我をしていたら、見かけたのが僕なら、応急処置薬などを持ち歩いていますからその場で手当てを・・・いや、消毒済みガーゼとマキロンを差し出すだけです。泣いているのはどうすることもできないでしょう。
考えてみると春は希望の季節ですが、その反面失恋、不合格など挫折も多い季節でしょう。それで落ちこんでいる読者もマコちゃんといっしょにこの作品で癒されているでしょうか。
おじいさんの優しい雰囲気や庭のあったかく落ち着いた感じが細かく書きこまれた背景からうまく出ています。やはり植物には癒す力があるのでしょうか。
スノードロップに感動するところは、横顔アップのマコちゃんの服にとても暖かく柔らかい感じを覚えました。きれいだな、と素直に感じます。考えてみるとこの作品ではほぼコンスタントに服に生気がありますね。すごい。
つよくなりたい、と決意して笑顔が出たのは嬉しいです!そして、「枯れそうな」読者たちもごく自然に強くなりたいと思うでしょうか。
いきなり厳しい水央くんにげんなりするのは苦手感情がかなり直接伝わってきます。
孫、といえばこの家族はどんな構成なのでしょうか?三世代同居という感じはないですね。両親が遠くに赴任、子供だけ祖父に預けているのか、それとも両親がないのか、または水央くんは両親とすぐ近くに住んでおり、ちょくちょく見に来ているのか・・・
失敗を繰り返してへこむのは僕もよく分かります。この泣き出すような情けなさも何度も何度も経験していますし。この表情も・・・鏡を見ているみたいです。この涙は失恋の傷がほとんどでしょうが。
そしてこの励ましがいいですね。身長差があるのがなんとも。
辛い時無理にでも笑顔になるのは心にいい影響を与えます。実は「鬼平犯科帳(池波正太郎著、文春文庫)」で
『(おそらく、浦部は逃げ切れるだろう)
 と、おもい、にやりと笑って見た。
 その笑いが平蔵自身を不敵なものにした。
 平蔵は曲折に富んだ四十余年の人生経験によって、思案から行動をよぶよりも、先ず、些細な動作をおこし、そのことによってわが精神を操作することを体得していた。
 絶望や悲嘆に直面したときは、それにふさわしい情緒へ落ちこまず、笑いたくなくとも、先ず笑ってみるのがよいのだ。
 すると、その笑ったという行為が、ふしぎに人間の心に反応してくる。』
と書いてあるのを実行してみて、結構有効だったのです。
ヘンな顔、と落とすのは軽く笑えました。僕もここのマコちゃんに感情移入して、情けない思いで泣きそうになっていたのでとても救われました。
つぼみを背景に「なんだか」を繰り返して水央くんへの気持ちの変化を描くシーンも不思議と暖かいです。この桜のつぼみを続けて利用しているのも実にうまいです。惜しいのは、始めに「桜」と「タンポポ」に強い印象があったためにタンポポも強さの代表として出てこないかな、と思ったことなのですが、それを無理に入れると話が拡散しますね。
おじいちゃんが手伝ってくれるのでホロリとしているところの崩した絵がなんだかほっとします。横にいる目鼻のついた風船のようで、ガッちゃんタイプの触角と手が一本ついているものがなんなのか興味深いです。
できた時の笑顔はほっとします。なぜか土をいじるって癒す力がありますよね。一昨年犬が死んだ時にも、庭を掘って汗を流していたらかなり気が楽になっていました。
つい水央くんの愚痴を言ってしまうことに、なんだか甘えを感じます。軽い気分だったのでしょうが・・・
でも、おじいちゃんもそれを咎めるのではなく、散歩にかこつけて水央くんの姿を見せ、その本当のところを教えることで訂正するのはうまい。
あの藁を巻いてあるのも水央くんが・・・公園ですからボランティアで?
桜のつぼみに向ける水央くんの優しい笑顔、そして・・・それを見ているマコちゃんの表情がすごくいいですね。胸の底から暖かくなってきます。
おじいちゃんの「桜のつぼみが大きくなりかけて」という言葉に希望を感じさせるのもうまいですね。ふくらみかけたつぼみと、一生懸命頑張っているマコちゃんの姿を重ねているのもいいです。
マコちゃんが「自分じゃなにもしてなかった」と反省し、「まけたくない――…!!!」と、負けず嫌いで前向きな笑顔を見せるのは彼女の性格がよく現れています。そして「そーだよっ!もうへなちょこなんていわせないから!」と元気に笑っている彼女が本当の彼女ですね。
水央くんの「あいつも枯れそうだったんだ」という言葉ははっとしました。少し照れていて、それでいて優しい雰囲気がはっきりします。おじいちゃんのときといい、ものすごく人の心に敏感なのでしょう。タンポポが痛いだろと注意するのも昔荒れた庭を生き返らせたのも、何かが傷ついていたら助けずにはいられない性格・・・泣きたくなるような、胸の中に熱いものがもりあがってきます。
心配なのはその性格で、学校でいじめられないかですが・・・
つぼみが出てくるのもしっかり描いていますね。この笑顔に包まれる二人、もう大丈夫だなと安心します。
でもここで光司くんが出てきてはっとしました!幸せなところからうまく話を加速させたものです。
彼女さんの不安そうな表情は・・・いつもマコちゃんと仲がよかった光司くんのことを見ていて、もしかしてバレンタインデーにでも玉砕承知で告白したのでしょうか?そしてうまくいっても爆弾を抱えているような気持ちで・・・この花でほっとしたでしょうか。
マコちゃんの傷がほぼ癒えていることにほっとしました。その安心してよかったねと思ったのが、「弟いたんだ」の一言で硬直。巧みな話の転換です。
今まで全く水央くんとどんな関係なのか考えたこともなかった・・・伝え方がいいです。
そして、笑顔の会話の裏で深く傷付いている水央くん・・・実は初めに読んだ時、ここまでは水央くんが恋の相手として出てくるとはいませんでした。かなり意表を突く展開です。
ぐしゃっと髪をなでるのは、水央くんにはきつかったと思います。怒り、屈辱感、悲しさがはっきり感じられます。
拒否に驚いて心が空白になるマコちゃんから、「けど」と言う水央くんの声がどんなだったか分かるような気がします。
そして割れた鉢の花からマコちゃんの悲しさ・・・心がしぼむように絶望に包まれてしまうのもかなり強く感じます。
おじいちゃんの話し方もうまいですね。
自分の思いを見つめているマコちゃんの、泣きそうな不思議な表情が目に残ります。静かに育っていた思いが花で表現される・・・この花園は本当にきれいです。これをもしかして一人で描いたのかとびっくりしています。空もいつのまにか本当の春になっていて、風まで感じます。
不安と思いが満開の桜で爆発するのは見事です!
水央くんの、男の子が悔しさを押し殺している時特有の斜に構えた態度が妙に十二歳前後の男の子らしくリアルで、でもマコちゃんも少女らしくてすごく胸がいっぱいになります。振り向かないのは泣きそうだからかも。
わざと「好き」という言葉を使わないで、言葉では言い表せない思いを一気にぶつけるシーン、泣けそうにいいです。「どんな花よりもまぶしく咲くこの思いをなんというのだろう」という言葉もシーンとよく調和して心に残る一言です。
この抱きしめる腕、そして唇に花びらを触れさせる動作は一種の色香さえ感じて胸が苦しくなりました。花霞をトーンを削って表現するのも素敵ですね。抱きしめるのも正面からじゃないし、身長差があるのもいいです。
水央くんは全てを知っているのでしょうか?視線を微妙にそらして素直に気持ちを言うのが微笑ましいです。
二人の優しい満ち足りた表情、見守るおじいちゃん・・・特にマコちゃんの優しく見守るような、そして十分恋に満足している表情が見ていて幸せになります。
水央くんとしては早く身長で追い抜きたいでしょうね。二人の恋がゆっくり育っていくのを見守っていきたい気がします。
本当に素敵な作品でした!次回作も楽しみです。

「山田さん」これが準連載化とは・・・いきなり超美人が泣きそうな表情で、それからこれには・・・笑うに笑えない、恐怖に硬直しています。キス体勢の山田さんは二度と見たくないような、間違っても目に触れさせたくないような・・・はは。
夢にまで見るとは・・・御愁傷さまといいながら、残酷なことに他人事なので笑えます。
気になってしまうことが悲しくてならない、もうほとんど諦めたような・・・なんか強制収容所でほとんど希望を失っているような彼(かじ・・・字がないようです)があまりにも哀れ。
星野くん・・・彼女にどういいわけを?一瞬悲しさを押し殺す山田さんと、それを見て切なさをかみ殺す彼がいいです。
あ、凸版印刷株式会社様、ここの「いーな」のセリフでかなりひどい印刷汚れがありました。
山田さんと・・・ということになっていて笑うしかないのは、見ていて笑うしかありません。
このペンションはすごい。山田さんのような顔になってしまっている香織さんが笑えます。そして、可愛い子がいたら一瞬で態度を変える彼・・・世界最短の失恋は笑えました。別に最短ではないと思います。二分ぐらいは経っているでしょうし、それより早く出会って恋した次の瞬間指輪が、というのはよくあることでしょう。
そういえば、山田さんの顔に何のリアクションもしないってかなりすごいのでは?
このチャンスを逃してしまうって馬鹿じゃないかと・・・自分で気づいてしまうのが哀れ。
つい山田さんが目について優しい目で見てしまうのが笑えます。
危なかったですね、星野くんが声をかけなかったら・・・
尻で閉めるのは確かにまずいですね。呪いの館と自分でも分かっているのが笑えます。「友だち」をうまく不安要因にしてひっぱるのもさすがです。
逆ナンパ失敗は残念でした。
この修理を陰から見ている優しさは胸を突かれますね。絶望感で壊れかけているのを、こう背後から優しく守ってもらえたら・・・それは惚れますって。
慌てる気持ちも分かります。そして照れ隠しに弱みも含めてしゃべってしまい、でも沈黙・・・これも救われますね。
ジュゴンどころか、比喩不可能な顔でしおりというのもまた・・・
別の犠牲者を事前に予防しようとする彼のせめてもの優しさ、経験者の冷たい表情が笑えました。で、結局山田さんを見つめていた・・・哀れな。
そしていきなり「でてけ」がまた笑えます。どうしていたかったのでしょう。
王様ゲームを女子から誘うとはすごい。山田さんと・・・思考を抹消しました。
肝試しは皆が思いつくでしょうね。でも実行する度胸は・・・。「一人っきりで待ってる?」はひどい。一人で準備するのが「すげーっつーかバカだ・・・・・・」が笑えました。
お客さんが来ているのに友達が肝試し、というので「オバケ屋敷じゃないもん!」で始めて罪を自覚している榎本さん・・・そしてそれをしつこく指摘して肝試しを中止させた彼・・・あ、怖いからだ。
そして、和美たちカエデちゃんの友だちにとって、ここからはもう恐怖体験以外の何物でもないでしょうね。それを想像して腹を抱えて笑いました。いきなり「女の人みたいなの見えた」でホラー顔になって、端から見ていると何が起きているのかはある程度分かりますから・・・とことん笑えます。これがこんなに笑えるということは、オバケ屋敷の係員ってカップルがうらやましいのを除けばすごく笑える仕事かも。
彼が出かけたの、まあ「山田を迎えに」とはいいにくかったのでしょうがカエデちゃんへの夜這いを疑わせますね。
ごていねいにも開いた片方の目に血が流れ込んでいる山田さんは、分かっていても怖くて爆笑でした!
拭かれるのを嫌がったのは・・・別に「星野以外にはさわられたくない」ではなく、自分に触るのは嫌だろうなという思いやりでしょう。
この石は少し心が温まります。
ホラーのとどめは笑えました・・・
しかしこの悲鳴、部屋で山田さんと彼を待っていた皆や、カエデちゃんの家族にも聞こえないはずはないですね。それぞれどう思っていたのでしょう。恐怖に震え上がっていたのでしょうか。そして山田さんたちが帰ってから事情を聞いて、みんなで腹を抱えて笑い転げたことでしょう。
やっと、分かってはいたこの連中のひどさを痛感して・・・絶望のあまり表情がなくなるのは痛々しいです。そしてやっと「近づくんじゃねーぞタコが!」と怒鳴り飛ばした時、かなり気持ちよかっただろうと思います。
この励ましの暖かさは・・・本来なら感動ものなのでしょうが、結局笑いになるのがいいですね。缶でツッコむのと信者の目が笑えました。
あまりの哀れさに口が聞けない星野くんたちの気持ちを思うとまた笑えます。
榎本さんの「いやピクリとも脈ナシだったから」が笑えました。
高校を調べて強引に・・・すごい行動力。初登場時の弱々しく清楚なイメージが一転しました。
そして、あまりの哀れさに笑うしかありません。すごい作品。まだ続くのでしょうか、これ・・・見たいような怖いような怖いもの見たさのような哀れなような、複雑です。

「ピンクイルカをさがして」感動的でした!
突然激しい「大ッキライ」という感情を押し殺した始まり、何が起きたのか読者を驚かせつつどこか共感させることができますね。
そして、無関係のはずだったびら配りの青年が助けてくれる出会いもうまい。
ジューシーフルーツを利用するのはうまい。好きな人を取られて、大事な友達だからと自分の気持ちを押し殺して・・・と思ったら、璃音は知っていて・・・ものすごく胸くそが悪くなりますが、不思議と胸の十字は血を流しません。ただ全身の力が抜けていきます。
それほど悪いわけではない、積極的に利用しようとも人の苦しみを楽しもうともしていません。ただ自分の楽しみが最優先で、他人のことが理由で自分が嫌な思いをしたり欲しいものを手に入れられなかったりすることなど嫌、というだけ。勝手と悪の微妙な境界ですね。
客観的にはいくらでも責められますが、璃音は「ならそう言って取り合えばいいじゃない!黙ってるから取っていいって思ったんだ」とあっけらかんと言い返すでしょう。第一、友達のことを考えて諦めるのも璃音からみれば茉耶ちゃんが勝手にやったことで、その「友情が恋より優先」ルールを勝手に人に押しつけるなと言いたいでしょう。
元気が欲しくなって動くのは分かります。
この水族館は・・・行った事はないのですが、電車から見たことはあるような気がします。
どんどん沈んでいくのも分かりますね。彼に会えてよかったです。この軽い強引さはいいですね。
面白いクラスメートの紹介がすごく具体的で素敵です。
璃音を見たくなくて隠れてしまう、でも・・・璃音は屈託なく手を振り返してくると思います。このドジで・・・本当に嫌いなのは自分、これは辛いです・・・僕にはなんと言っていいか分かりません。七海くんの行動はすごいと思いましたが、後に彼の傷を知って深い感動にため息をつきました。
イルカと七海くんの深い優しさ・・・泣いていい、と言われる救いと癒しの深さには涙が出そうです。
そして、七海くん自体・・・簡単に言える心の傷ではないでしょう。でもこうして言えてしまうの・・・すごいです。この話は実際いじめられている人にとっても大きな救いになるでしょうね。ただし、逆に親に虐待されたり捨てられて施設にいたりする子には・・・辛いでしょうが。
すぐよかったね、と同情できるし、それに悪口を言わないのって・・・あ、事情は話したのですか。確かに「いい子」だから7ページで出てきた友達は大切な友達と思っていますが、現実はそこまできれいではない気がします。馬鹿にして利用し尽くす、璃音よりもっと悪質な、人が苦しむのを見て楽しむような人もいるかもしれませんもの。
そして出会いについて、「おなじ時代に生まれてこれてよかった 生まれてきてくれてよかった 会えてよかった」これは最高の言葉ですね。
そして・・・いきなり七海くんまで誘うとは、さすが。頬が凍る、あ・・・やはり璃音にはかなりの邪悪性がありますね。なぜか知りませんが、ここで茉耶ちゃんの頬が凍る・・・璃音の頼みを断れない無意識レベルの精神的な構造があるようです。多分璃音はそれを意識して使っていません。それが初めに感じた胸くその悪さの正体ですか!やはり裁断を下した方がいいかも。
このなぜか分からない鎖を断ちきったのは胸がすっとしました。「それならそうとさいちょっからいえっつーの」それが本音でしょうね。お互い遠慮も何もないのが当たり前だと璃音は考えていた?だとしたら絶交する必要はないでしょう。
ここから璃音と絶交、敵対するのか、つまり璃音は支配と搾取以外の人間関係ができない邪悪な人間なのかどうか、なぜかこれだけでは読めません。
やっと心から笑えたのはほっとしました。「すげーカッコよかった」です。
この、恋については未確定でピンクイルカを使って希望をいっぱい持たせるのも素敵です!
最後のページの笑顔、輝くようにきれいで柔らかい幸福感に満ちていてとても素晴らしいです。

「どーなつプリン」ウエディングケーキ・・・いくらかかったのでしょう。というよりどうやって家庭の設備で?一度美紅ちゃんちの台所を見てみたいです。
エセ外国人は笑えました。

「コンチキショー!」最初のページは素晴らしい美しさだったので、それを全体でコンスタントに使っていれば本当によかったと思います。惜しいです!神の黒、扇や着物や身のこなしの鋭いタッチ、そして目・・・この深い藍色を感じさせる濃いめの深さは魅力的なのに。
刀は一度博物館や古い寺社の宝物館で拵えまで細かくスケッチするか、できれば実物を手に取り、一度分解して構造を手で覚えてスケッチするべきでした。袋はある程度実物に近いのですが、はばき(鍔の上下にはめて刀身をくるむように固定する金具。納刀時鞘の安定にも寄与)が鍔の上の刀身をカバーしていませんし、なぜか逆刃刀に見えます。扉の柄糸の巻き方や鍔の造作を見ると全く資料も見ていないとは思えないのですが。
そして扉が裏表二枚で、一転して可愛らしい雰囲気になるのでがくっときました。
千円は少し高いですね。あ、スタイルいいな・・・
巫女姿だとすごく落ち着いた感じできれいです。
ははは、お守りは嘘ですね。小佐野マンションは笑えました!
これだけの力を代々伝えていて神社がビンボーって・・・あ、御両親が亡くなられていますか。でもそれなら色々あるはずですが・・・無理をしてまで自活することはないのでは。
背負っているのはここでは竹刀だとばかり思っていました。
あの、神道には基本的に善悪はなく、退治されたら盗人だろうがなんだろうが神なのですが。
キツネの耳まで出るとはすごい。
あの・・・銃刀法違反。真剣を意味なく持ち出しただけで銃刀法違反。抜いたらもっと銃刀法違反。人につきつけるなど銃刀法云々ではなく刃物を持つ資格も剣士の資格もなし、というより脅迫及び多分殺人未遂。どれだけの恐怖を与えているかわかっているのでしょうか。
で、いくらキツネでも退治したらもちろん殺人罪です。なんとなくですが、こういう形で保護しているような気がします。
いきなりお姫さま抱っこ、態度の変化が極端ですね。
公共の車内で刀を抜くなって・・・他の乗客が見たら通報しますよ。
かなり理不尽な状況ですが、不思議と軽快な感じがしますね。
この猫はなんだか笑えました。
羊羹に素直に喜んでいるのが可愛いです。
両親を亡くした子が多いですね・・・同じ境遇でも必死で自活している子もいれば・・・えらい違いです。
コンチキショーの繰り返し、臣稜の「あなたの美しい体にキズ一つ」という軽さなども面白いです。
臣稜が女の子の寝室に入りこもうとするのが笑えました。結城さんも先輩の意外な面に驚いたでしょうね。
つきあっていたと言われるのは面食らったでしょうね・・・それで「恋話だいすき。」となっている煌ちゃんが少し笑えました。
いきなり意味もなく抱きしめて、欲で釣る・・・もういいコンビになってしまっていますね。
虎にはさすがにびっくりしました!逃げておいて煌ちゃんはしっかりかばい、強引に納得させて力を解放させる・・・なんかこれ、たとえば見守りながら煌ちゃんが力をコントロールできるようになるように、とか裏があるとしか思えません。一つ一つのシーンにはかなりの迫力がありますが、惜しいのが剣の構え、爪と剣がつばぜり合いになることの不自然さなどもう一歩というところが多いことです。
妖怪を退治したと思ったら、このどんでん返しはよかったです!
このエピローグは少し不条理系と言うか・・・ただ、こういう形で保護していると思えばそれほど腹は立ちませんが、煌ちゃんはむかつくでしょうね。
僕は永遠先生はコメディより、とことんシリアスで重く鋭い絵だけで描いたほうがいいような気がしてきました。あえて言うなら高瀬綾先生の「My dear」のような徹底したシリアス路線だったら実力を最大限生かせると思います。

「怪盗パピヨン」うわ、なんか面白いです。
科学が発達した帝政の国・・・すごく嫌なのですがそれ。科学が発達して、それでいて帝政だとすると「1984」並みの密告監視体制が敷かれているイメージが・・・。結構自然な中国の情景に見えますけど。
揚羽ちゃんの語尾に「でしょー」をつけるのもなんだか可愛いですね。
人民服でありながら貴人のお忍びだと分かるように暗示し、逃げる際にアクションを軽く見せるのと「少年犯罪といえどもゆるせん!」という小ギャグはうまいですよ。枠線から下げたドラにぶつかって捕まえるのは笑えました。
なぜダイヤではなくアレキサンドライトなのか、この謎もうまい。
そして「ふっ 年ごろの男女が二人きりで学ぶことといったらひとつしかないだろ?」これは正直痺れました。もちろん保健体育ですね(オヤジ)。冗談でごまかして教育的指導、というのも笑えます。面白いキャラですね。
そしてそれが盗まれて・・・確かに彼女の管理ミスです。
この犯人も面白いですね、典型的な怪盗の標的です。
情報網にひっかかったなら、念のため当局にも知らせておけばいいのに・・・あ、相手は兵士を雇えるような外交特権があったりする重大な存在なのでしょうか?
キャラ変えすぎです。
三人三様で宝石を渡さないと決意しているところは・・・少しあざとい気もしますが面白いです。
わざわざ予告上を送り、時計塔の上に立っているパピヨン・・・楽しんでいますね。これが陽動だと気づかないとは・・・
アクションは確かにかなりきれいですが、少し物足りないです。
鮮やかに助け出し「そこにいる美しい女性を」って・・・ものすごくキザですが、それで違和感がないのがすごい。
そして宝石は贋物、電気檻とピンチ・・・ここからの逆転は見事でした。そしてわざわさアレキサンドライトというマイナーな宝石を使った理由・・・光を切り替えて色の変化を見切り、ここはかっこいいです!
キスして「あなたのくちびるは」は「アポロンの宝石」を思い出しましたね・・・ほとんど宝塚の世界です。それでいて背景をしっかり描いているのがまたすごいですし、フィルムコマの活用もいいです。
ぽうっとなっている美麗ちゃんがかわいい!
そして・・・落ちは笑えました。またやるのでしょうか、怪盗を。

「パオパオvマヤマヤ」インド風のファンタジーとはなかよしでは珍しいですね。
公平くんのまあまあがどんどん増えていくのはさりげなくて面白いです。
そしてまた両親が戻ってこれないと・・・これは確かに辛いです。みんなそれはわからないけど、公平だけは理解している、うまい序盤です。
物じゃどうしようもない、痛みがかなり強く伝わってきます。
それで翌朝体が変わっていた、このショックの描写は面白いですね。カフカの「変身」と、可愛い像のぬいぐるみと変な虫とは違いますが似ているでしょうか?
事情が分かっているとこの天罰はかわいそうな気もします。
像の置物の関西弁が、表情がないのに妙にマッチしています。
まあでも、公平がどれだけ大切な存在か、分かっていないのは確かに感謝を知らないのかも。
自業自得・・・確かに昔からのわがままを見ているとそれもわかりますが、逆にその孤独は・・・ため息。
フォローするつもりで嫌味を言ったのに見捨てられたと思って、そのままさまよって悲しい思いをする・・・ちょっと見ていられないです。
で模範生には役立ったかも。
一緒に寝てやる公平、いくらぬいぐるみでも結構大胆かも。
これは大変ですね・・・皆も助けてくれるとは、やはり公平の人望か・・・。それでも見つかったのは半ば奇跡ですね。無言での胴上げはとてもいいです。
翌朝元に戻れていたことを再確認し、変わっていないようで微妙に変わっているのが素敵です。絵本にして子供に読ませたいような傑作だと思います。何らかの形で単行本にして欲しいですね。そういえばいまのなかよしって、そういうとことん子供向けの部分がすごく小さくなってしまっています。

「リトル・プリンス」心の動きがうまいですね。
さあどんな王子様か、と思ったらランドセル、これは笑えました。
よっちゃんの「ちょっとおくさま聞いてよ〜の手。」が笑えました。
理想を語る時の顔は面白いです。よっちゃんのツッコミもです。あ、関西弁マンガ・・・自然ですね。
そしてもう一人の王子様が出てくる、ここでかなり期待しました。
なんでも知っているでストーカーかと思いましたが、定期に・・・でも考えてみると危険ですね。もし彼じゃなくて本当にヤバイストーカーだったら!でも落としてそれっきりももったいない・・・最近JRで導入されたSuicaシステムなら落としたらすぐ定期を無効化して再発行できますからなんとかなるかも。
そしてこの恋の宣戦布告、かっこいいです。
この可愛いバレンタインプレゼントもいいですね。本当の女子高生だったらどう思うのでしょう。
そして突然登場したライバル・・・なんだか笑えました。「年増」が深々と刺さるのは笑えましたが、意味わかってないですね。年増とは娘盛りを過ぎてやや年をとった・・・「鬼平犯科帳の世界(文春文庫)」によれば二十歳から年増、二十四,五から七,八までが中年増、三十歳ぐらいまでが大年増だそうです。
情熱的な宣言にどきん、と心が動いて・・・ここから一つ一つ心境が変わっていくのが面白いです。
照れて「かわええと思うのは…和加子だけやからな!!」と真っ赤になって言うのは実際わーっとなりました。
そして、来てくれないのが寂しくなるのって・・・大角くんはちょっと可哀相です。
なるほど、こういう手があるのですか。とことん押して押して、相手の生活の一部になっておいて一歩引いて寂しがらせる。あ、でもこれは小学生だから許されるのであって、同年代や年上、まして高校以上ではストーカー防止法にひっかかります。
おごられたくない、という・・・大人の男のふりをしているのがなんだか微笑ましいです。
タイプを聞かれて、相手を気遣いつつ正直に答えるシーンは少し切ないです。
この手帳を見るのはドキドキします。色々なことがあるのですね。隔週週休二日ですか。
会うのが楽しみになっていて、そんな自分が怖くてじたばたするのは見ていて楽しいです。
まだかなあ、とそわそわしていることに気がついて、これが恋とは・・・わからないでしょうね。
そしてカッコよくなっていた悟くんにドキドキして、まともにデートしているのは・・・多分本人は楽しいと思いますが、外から見ているとどう見えるでしょう。「それとも・・・・・・?」と自分の気持ちに気づきかけていて、この微妙なところを丁寧に描いているのはいいです。
コートを優しくかぶせるのはもろ王子様ですね。
この一番いいところで大角くんが出てきて、弟との勘違いをからめつつ告白に持って行く・・・ただ、大角くんがここまであまり出ていないのが少し残念です。でも読み切りの制約上仕方ないですね。
そして「お姉ちゃん」の一言が、悟くんがどれだけ辛かったか・・・
気持ちを「ぐるぐるしたもやもやした気持ち」「おもたい気分」と、「好き」という言葉に頼らず体で描こうとしているのはいいです。
でも自分からは行動できず・・・例えばよっちゃんに連絡先を聞いていないか聞いてみるとかできるでしょうし、名札で学校名はわかっているでしょう。
もえちゃんの泣きながらの・・・これはかっこいい。
この気持ちの変化もいいです。そして大胆な告白には素直に感動。
ストレートに抱きつく熱さ、あ!そう言えばホワイトデーですね。転校先が近いという落ちは笑えました。
最後のホッペキスもいいし・・・少し大胆な素材ですが、キャンディみたいなラブストーリーでした。

「春眠」久しぶりですが、やはり素晴らしいです!他とはほとんど次元が違うような・・・そして「花夢幻」を一路さんの歌でBGMにしていました。
感じ、空気の表現が絶妙です!ふわふわした感じ、眠っているうららちゃんの手の持つ不思議な色気、なんだか寝顔を見ているのが気恥ずかしいような、それでいていつまでも髪をいじっていたいような・・・
この夢幻がまた素晴らしい。突然謎の男の子・・・手から先に出てくるのもすごいですね。
保健室で起きて、この微妙な角度と起き抜けの暗さの表現もまたすごい。
今朝、こんな事があって覚えていないとは。でもこれ、男子にとってはたまらなく嬉しいことです。顔は困っていても本当はにやけているものですよ。
彼の顔を出さないのもうまいですね。
しっかり抱っこできてさぞドキドキしているでしょう。「そのへんに投げてていーですから」が笑えました。
お姫さま抱っこで女子校・・・それはすごいですね。かなりめだってたなんてものじゃないでしょうね。はっきり言ってこの状況は、男の妄想を絶しています。ここまでは想像力と欲望が全開だった高校時代にもさすがに考えたこともありませんでしたが紛れもなく理想、というより妄想の状況です。すごい。
夢と現実との移り変わりが実に自然です。夢の中で会う男の子、その春うらうらの限りなく優しい雰囲気とコトン・・・コトンとごく弱く響くリズム、たまらない世界です。
夢で会いたい、というのもまた・・・花夢幻ですね。
桜吹雪の中つないだ手がなんともいえないです。
しかしいつも寝ていますね。どこからが夢でどこからが現実なのか境界があいまいになって、花夢幻の中に僕も酔いしれています。
保健室の陰影がまたすごい。
しかし、このコマ枠線を使わない夢幻の世界は・・・心の底から甘く暖かいものが広がって、眠りそうです。いや・・・昔旧東京宝塚劇場で雪組公演「花幻抄」を見て・・・ラスト近くで一路真輝さんの「花夢幻」を聞きながら時空間を忘れて酔いしれたような、感覚が麻痺したような感じです。
夢の人を恋い慕って泣いているのはなんだか胸を押されるようです。
昔の人の歌・・・百人一首には直接該当する歌はないです。ただ、夢の通い路という概念は古くから一般的のようですね。今手元にあるのは新古今集だけなので調べるのは難しいです。
込んでいる電車のぼやけた群集描写はすごい。
そして・・・眼鏡で彼だと分かるのは胸がすっとしました。「あの人なの」に、「――で?」と返すのはうまいですね。
目をさましたら、この言葉が出て、もう桜も葉桜になっている・・・しかも中間テストシーズンに重ねるのもすごい。
目に見えるような駅の描写からやっと会って・・・ここからの会話には王朝の恋のような雅やかさとストレートな心地よさがあり、しかも背景もぼかしていながらおろそかではないのではっきりしたリアリティも感じます。
男が胸に手を押し当てるって、なんか逆のような気もしますが不思議と色気のある動作ですね。心臓の音だ、というのもふわあ・・・です。
あ、彼も・・・うららちゃんが夢に出てきたのでしょうか。
すごくいい恋になるのがわかります。結構身長差があるのもいいですね。
本当に見事な話でした!花夢幻そのもののふわっとした、限りなく暖かく心地よく感覚が麻痺するような・・・あまりの表現力に恐ろしくさえなりますね。
ここまですごい作家をこういう形でしか使えないのがある意味残念ですらあります。

「スイート・パニック」乳製品が食べられない、ってアレルギーでしょうか。自分は食べたかったのでしょう。
泣いている子にあげて、一瞬で最高のクリスマスになるの・・・これは面白い出会いです。
この再会もいいですね。美和ちゃんの、しっかりすべて調べて報告し、親友を押しつける一種の照れがとても素敵です。
あ、心の傷でですか。アレルギーだったら命に関わりますものね。でも、単に嫌いというだけだったら公立学校では直そうとするのでは・・・
同じクラスで隣の席、これ以上の贅沢はないのに!「てれ屋さん?」がすごく可愛いです。
階段を踏み外して、圭太くんは立場が逆だと後悔していることでしょう。美和ちゃんもここで「責任とりなよ」ぐらい・・・
医師や看護婦には乳製品がだめと報告がいっていないのでしょうか?
人の話を聞いていない医者ですね・・・作ってくる、は笑えました。
哀れといいますか、普通の女の子ならうらやましいといいますか・・・
言えないのって・・・なんでとりつくろうのか、って単に彼に嫌われたくないからでしょうね。
うわ、好きな男の子に食べさせてもらえるって・・・女の子なら天にも昇るような、浮いてしまうような幸せでしょうね。圭太くんもあまりの恥ずかしさに、帰ってからのたうちまわったことでしょう。
子供を助けるエピソードもうまいです。
あ、「大好きな人が喜ぶカオって」これ告白ですよ!気がついていない苑子ちゃんって・・・
毎回毎回のケーキ、すごくおいしそうです。これを聞かれるのは・・・久々にいい{誤解}を見ました。
そして避けられるのは・・・読者の僕にはなぜだかわかりますが、本人には辛いでしょうね。
さらに二重誤解・・・いいですね!
それを解く最後の手段、これは素敵でした!
圭太くん、すごい罪悪感だったでしょうね。好きな人の体を痛めつけていたのですから。
本当に甘いラブです。いや本当にいい誤解を見せてもらいました。やはり誤解は少女マンガの華ですね。

「ニャンニャンパニック」絵の変化が大きい人ですね。それだけ頑張っているのでしょう。
猫に嫉妬してしまうラブラブカップル、ってはたから見ていると微笑ましいです。
もし犬の生前、僕に彼女がいたら・・・似たような思いをさせてしまったかも。
彼氏らしいことはもっと求めて・・・ますね。でも彼氏もたまには彼女に譲ればいいのに。
意地を張って強引にネコ禁止例を出すの、なんだか可愛いです。
幼なじみで恋人って、確かに素敵ですがこういう怖さもありますね・・・互いに弱みを知りぬいている。
なんでこいつとつきあってんだろ、と疑問を抱いてしまう陸人くんには笑えました。
隠れてネコに会おうとして、全てを読まれている・・・これってはたから見ると夫婦喧嘩です。
こういうデート、女の子には楽しいし陸人くんもたまにはいいか、と思っている・・・まだ幼かったのかも、陸人くんが。
ネコ恋しさに狂暴になってしまう彼に報復しようとした連中には同情します。
殴ることはない、といってもどれだけ今まで彼女を傷つけていたかわかってないようです。
この意地っ張りなケンカをネコが仲直りさせるの、とても楽しいですね。
あ、幼なじみで恋人って・・・思い出も圧倒的に多いですね。
それでもどうしようもなく好き、それはわかっているはずなのに・・・陸人くんのほうの気持ちももっと見てみたいです。
お姫さま抱っこはなんだか嬉しかったですね。
もう夫婦喧嘩は犬も、というよりネコも食いませんね。やれやれ。

「秘密のスケッチブック」二年ぶりですか・・・「ま0いご前線」から数えても一年以上・・・もう懐かしいとさえ思える現状が悲しいです。でも雰囲気は変わっていなくて、そして深さは更に増していてほっとしています。
独特の方言が暖かな生活感を生んでいます。
住む世界が違う人、確かにそれはありますね。僕も今思い返してみると・・・
恋というよりもう王子様・・・面白いとらえ方かも。届かないから恋しない、切なさは内心覚えているのでしょうか?
いいかげんな美術部の活動もなんだかリアルですね。
ドアを開けたらいきなり、つい閉めてしまう反応は理解できるしとても面白いです。
さすがにここまで王子様扱いされたら怒るでしょうね。つい敬語を使ってしまうのもわかります・・・僕も好きな人は住む世界が違うようにずっと感じていて、そしてずっと基本的に敬語でした。
なんて話せばいいかわからなくなって、思わず深く礼を・・・ってこの態度もどう見ても目上に対するものなのですが。
この笑顔、とても気持ちいいです。
かっちゃんはすごく嬉しいでしょうが、遠親くんは少し寂しかったかも。
描こうとして描けないのもわかります。笑顔があまりまぶしくて現実とは思えない・・・夢みたいに思えるでしょうね。
でも芸能人でもプロ選手でもないのにそこまで、という気はしますが感じとしては変わらないのかも。それとも、そんな感じで皆アイドル視して楽しんでいるのでしょうか。
今日もいる、というより僕はむしろ他の美術部員はどうしているのかが気になりました。
息抜き、というだけではなぜ練習に出ないのかは気づきませんでしたね。
突然日常に入ってきた彼と、次第次第に仲良くなっていく描写はとても心温まるものがあります。
そして彼が描いてくれた下手な絵といたずらでもう本当に近くなっている事を描いて、それから自然に・・・真相が明らかになっていく構成はさすがにうまい。
サッカーをしようとしているシーン、背景を消したさりげない描写なのですが影がとても印象的で、不思議な動きがあります。
見ているかっちゃんの表情と置き去りにされたボールの影がなんともいえない寂しさを感じます。
あ・・・背景を描くところはしっかり描いていますが、必要のないところは描かずまるで余計なものを省いた舞台のように、それでいて小さな影が多くを語っている・・・面白いです。
不調な時・・・確かにそれはありますね。この「やめたいと思わん?」に対する返事は、遠親くんの事情を理解して、直接ではない励ましで・・・深い優しさが伝わってきます。
陰と光、「くるしいときがたくさんあってもそのぶんうまくいったときすごくうれしいから」この言葉がものすごく重い気がします。僕にとってもかなり深いところからの救いであり、励ましです。
静かに「スキだよ」と・・・これは半分告白かも。とても静かで優しい雰囲気が体を深く包んでいるようです。
でも・・・九割がた告白である絵を見せようとした時、これを聞いてしまうのは・・・辛さが伝わってきます。ここの、余計なものを省いた絵はすごい。すごく簡潔な画面でなんていっていいかわからないような説得力があります。
また戻ってしまって・・・でも、あの彼が描いてくれた絵を見て・・・ここで静かに動き始め、鉛筆を手にする彼女の強さは感動です。
声をかけられて・・・多分彼女は無視されるのでは、という不安と、彼はそんな人じゃないと信じる気持ちでかなり苦しい思いをしたと思います。でもとても静かな口調、雰囲気ですね。
ファンクラブに攻撃されないよう、場所を変える遠親くんの思いやりもいいです。
そして・・・余計なことをいわずに渡したスケッチブック、言葉よりずっと深く気持ちを語っているようで胸が詰まります。「だから」でも何も言えなくなって、ここで硬く抱きしめてくれる彼にほっとしました。
でも、彼もまた・・・むしろかっちゃんにすがっているような感じですね。
二人で支え合って、静かに歩んでいく・・・胸が痛くなるようなうらやましさと幸福感です。
すごいですよ・・・絵柄などは一見変わっていないのに、よく見るとものすごい成長がわかります。

「アニマル*トラブル」今回はまた可愛いコメディですね。アラビアータ以外の作品は久しぶりです。
実際に動物の相談を受け付けるとは、できたら面白そうです。
突然変なものが出てきて「辿(二点しんにゅう)さまの恋人になりマッスル!!」はあぜんとしました。
ウエイトレス制服とは、男の心理をよく分かっていらっしゃる。
全部ボールというのは笑えました。
結局勝負が無視されているのは・・・結局どちらを選ぶのでしょう、彼は。
ほんとうになんだったのでしょうね。

「ケミストリー」扉の知的で物静かな、それでいて挑発的な感じがとても印象的です。
いきなり爆発、というのは一発で作品世界に引きずりこむいい始まり方だと思います。
この夫婦関係も面白そうですね。
例の薬とは何でしょうか?ここではホレ薬はもう手に入っていますから例えばやせる薬、美人になる薬など楽しいものを想像してしまいます。
科学者を目指して修行、というのは少し苦笑しました。科学者は職人のように技術を修行するのではなく、そんな暇があったら英語と数学を勉強して、モリソン&ボイド(邦訳は東京化学同人)を原書学習するのが本当です。でもそれでは話になりませんし、理科室でやるような実験じゃないと地味ですね。
チョコとホレ薬が入れ違ったのはすぐ分かりました。
好きなのに、初めから諦めているのがなんだか痛いです。忘れる薬を欲しがっていたのですか!なんでそんなに・・・夢のために恋はいらない、ということでしょうか。それならある程度分かる気もするのですが。
チョコとホレ薬が入れ替わっていたことに気づく間とアクションは爆笑しました。
そして何ともないと思ったら情熱的な抱擁と告白、爆発しましたね。
その一日どうすごしたのでしょう。
効果が切れていると期待したら明るく「すっげえ好きっっv」は椅子からとびあがりそうになりました!そして、悪口に対する厳しい怒りもかっこいいですね。
でもなんでこんなに、うまくいかないと決めつけて忘れることばかり考えるのでしょう。
あっきゅん=秋成と説明が細かく入っているのもいいですね。
女の子と帰るのは初めてだから、それはわかります。あ、ということは今更ですが告白はその場でOK・・・ではなく返事は特にしていませんがなし崩しで公認になっているのでしょう。
有限だと楽しもうとするのも後ろ向きですね・・・
デートと意識した時のじたばたは可愛いです。でも・・・何でしょうか。
手を引き寄せて髪にキスするシーンは時間が一瞬止まりました!
いっしょにいたい、とこんなに強く思っているのに・・・中和剤を渡した父は多分全部分かってでしょうね。もしかしたら、電話か何かで全部薬のせいなのかどうか確認したのかもしれません。
薬のせいだ、とあらためてわかって、静かに沈みこむシーンは胸が痛くなります。そしてすぐ笑顔に立ち直るのもかえって痛々しいです。
ジュースに薬を入れるシーン、その静かさに辛くなります。そして、飲む時の辛そうな目は・・・なのに「へいき・・・だけど」と、一々最高レベルでの感情コントロールをする性格がなんだか痛々しいです。
そしてこうして、思い出のために気持ちを確認して・・・でも、この「あったりまえだろ」が薬とは無関係と確認した時はこのシーンを思い出してすごく嬉しくなりました。
皆のヒガミも笑えます。
それで、じゅうぶん・・・んなわけないでしょう!自分の心を何だとおもっているのでしょう、この人は。
必死で忘れる薬を求めるの、僕だったら何を処方するでしょう・・・
誰かが訪ねてきた、という伏線があまり目に入らないように次に進める構成はうまいです。
思いが苦しいから、薬の力を借りて忘れようと・・・考えてみると怖いですね。本当に感情をコントロールする薬がたくさんできて、気軽に使えたら・・・現実に性欲抑制薬を性犯罪者や幼児性愛者に処方することは欧米ではあるのですから。
苦しいから、と薬を飲むシーン、まるで服毒自殺のような透き通った感じがありました。
心に残るのは・・・そこでこの優しい笑顔、言葉がありません。心が空白になって、何が起きたか分かりませんでした。
全てが分かって深いため息。
そしてこの告白、すごくほっとしました。そしてホレ薬は無関係に近かったことに全身の力が抜けるような安心感があります。
色々な意味ですごく成長しましたね。作風が安定してきて、高い表現力が分かります。

「バーミリオンの空」期待にはきちんと応えています。
大変な感じが初めから伝わって、でもどこか静かな雰囲気で・・・色々大胆な表現を重ねますね。
赤い髪・・・カラーじゃないのが少し惜しいです。
絵が台無しで、このいきなり激しい泣き顔はびっくりします。
二日で絵を仕上げるのは難しいのでは・・・
攻撃アイテムを一々解説するのは笑えました。
複雑な技巧を数多く使って画面がうるさく見えるのですが、それだけ気持ちは同調できます。独特のリズムもあるようですね。
寝っころがった一種の寝顔が一瞬静かで逆に印象的です。
このタンポポの綿毛が散るのの表現はたいしたものです。
目をつけられてからこの乱暴極まりない攻撃までが短いですね。ストーリーとしては大きな流れにならないのですが、反面因果関係がはっきりします。
ただ、ここで絶望感と怒りをもっと激しく表現できたはずでは?
一番激しい感情があるところで、それほど画面転換などを激しくしていないのは計算の上ででしょうか。
あ、こういう所の背景が結構ちゃんとしていますね。
冷たい目と「死ねよ」というナイフで突き刺すようなセリフ、ここからの展開はうまい!移動がとても臨場感があり、そして広い景色が強く印象つけられます。
もう少し色を白黒画面の中で見せることができれば・・・でもそれは求めすぎですね。
わかってない、と冷静に見て、本当は言いたい文句の半分もいっていなかったのがなんだかいいですね。
静かに描き始める決意の横顔も印象的です。
ここからは・・・なんとなく蛇足のような感じもします。でも空と並んだ絵の具で夕日の赤を表現するのはすごいですね。
二人の心の触れ合いをスケッチブックに象徴させるのも心に残る点です。
技術的には本当にすごい。だからこそ、もう少し頑張って欲しい気がしてしまう作家ですね。課題が多いだけ成長の余地がある、次にどうなっているか楽しみです。

「MIKE」あ、「POCHI」の逆ですか。・・・・・・・・・・・ううむ、ドジな女の子のメイドロボットは可愛いですがこれは可愛くないです・・・
さりげなくかなり過激な読者サービスがあるのが面白いです。
日記ネタは笑えました。

「NERVOUS VENUS」突然出てくる「湊戸アキラ」の名前は・・・ほとんどの人には特別ではないのですね。
この状況に神を恨みたくなるセキの気持ちはよく分かるような。
やはり見ないでいられるほど人間は強くありませんね。
このうさばらしはなんだか笑えます。面白い野球部ですね。
氷室さん・・・十字を切るほかありません。
でも、そんなどうでもいいことを見てしまっている関谷・・・それを小さく喜んでいるセキ、ずきっとします。
のんびりした雰囲気で、いきなりさっきあれほど恐ろしい姿を見せていた氷室さんがこうなるとは・・・なんだか笑えます。
カレシさん、かっこいい!この無音劇は笑えました。
男同士で野球拳やって何が面白い・・・って僕の中学校の頃のクラスメートもやっていましたが・・・
いきなり「N.Y.に行きたいかー!!」は笑えました。
元気ですね、こいつら。それを見ていて楽しんでいる女子の気持ちも分かります。
そこで突然、なぜか激しい感情が吹き上げてくるのが・・・突然くる腹痛のように体を引き裂いています。
そして答えを与えられず放り出されるような感覚・・・
もし・・・アキがここにいたら、それは今まで無理に考えないようにしていたのでしょうか。ただ機械のように自分を動かして、感情を止めて・・・
突然静かになる展開は少し面食らいました。なんだか突然暗い森を抜けてまぶしい日光が目に入ったような・・・
そして、とてつもなく痛いことを言わせてしまったことに気づいて心が止まりました。
涙を・・・同情じゃないと言い訳して、では何だといえばいいのでしょう。傷自慢?傷をなめ合おうと?しょせんあまりにも深い傷を負っている二人は、どんなに共感しても孤独でしかいられないのが・・・痛いぐらい寒いです。
それで泣けなかったのですか。僕が大事な事で泣けないのは・・・
答えのない問い、そして圧倒的な絶望感・・・ここで求め合い、傷をなめ合う行動に出るのでしょうか?それともただ一人で傷つけ合いながら痛みにのたうちまわるのでしょうか。どうしていいかわかりません。

本当に素晴らしい作品ぞろいでした!本当にもっともっとこの人たちの素晴らしい作品を見たいです。今は絞られているからこそこの質なのかも知れませんが・・・
あと、「トワイライト・コネクション」と井沢陽子先生のルポマンガ、そして「山田さん」のような準連載がもっとあると面白いかも・・・でもそれをやるとそれだけ新人の場所が少なくなるのが辛いです。
やはりもっと絶対的な場所が欲しいです。あまりにも惜しい才能がきらめいていますよ。

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