なかよし2001年12月号感想

いくつものクライマックスに時代の変わり目をはっきり感じます。その先にあるのが何か、まだ見えないのですが・・・希望を見ていたいです。次号付録予告のカレンダーを見ると、あゆみゆい先生と武内直子先生が登場するようですね。

後藤真希フィギュアの付録は、それ自体はいいのですがかさばりすぎると思います。付録として、本誌にはさむのには無理があったのではないでしょうか。本自体を痛めていますし、第一本が直方体であることの輸送、陳列上の利点を大きく損なっています。平積みが崩れているのを何度かみかけました。
別のつけかたを考えるべきだったのではないでしょうか。

「娘。物語」この連載はどれくらい続けられるものでしょうか。人気がものすごいことはわかりますが。
13人体制になって、まるで遠足の引率みたいな感じですね。相変わらずの加護辻が笑えます。
初めからプロ意識が強く、それだけ努力家で成長が早い点は好感が持てます。
今回はつんくさん、特に厳しい面を出していますね。
でも、逆に歌やダンスなど努力は最大限やっていて実力が伸びていても、この壁は見ていて辛いです。頑張っても頑張っても、自分に肝心の中身がないように感じる絶望感が強く伝わってきます。
どうしてもだめ、と自分を決め付けてしまって、逆に得意の歌やダンスの努力も逃げ場になってしまう、でもそれを壊すのが怖くて仕方ない・・・そんな不安が星空を見て、テープを手に取るシーンから伝わってきます。
つんくさんの「できなきゃやらんでええで」という言葉に、一瞬ショックを感じました。「モーニング娘。」から切られるのか、と・・・でも、その厳しい言葉の中に、深い信頼と期待があったと後になって伝わってきます。
歌手としてのアイデンティティを認めてくれるのも嬉しかったと思います。
後藤さんに対する厳しい指導は以前見ていますが、それを違う視点から振り返ることができるのもいいですね。
本番で自分に対する自信が壊れてしまうのは、見ていて辛いです。ただここで、それまでの「プッチモニ」での市井さんのポジションがどんなだったかを知りたい気がしました。
そしてできないとおもいこんでいたMCができるようになっていた、ここはびくっとしました。すごい迫力でした!
重ねてきた努力から自然に「中身」が育っていた、あとは殻を破るだけで華麗な羽根が広がる、このメッセージはすごい説得力があります。特に努力家の優等生にとってなぐさめになるのではないでしょうか。
加護ちゃんがつけてくれた落ちには笑えました!

「だぁ!だぁ!だぁ!」ため息。
絶望的な表情から、笑顔に切り替えるのがとても痛々しいです。
なんかさみしい、なんて生易しいことじゃない、家族がバラバラになるのに・・・。それも彷徨と未夢はともかく、ルゥくんは宇宙の彼方で多分二度と連絡は取れない。感情移入しようとすると、頭が真っ白になります。
甘えてくるルゥくんに一杯愛情を与えて、明るさを保って寝る未夢ちゃん、多分・・・感情を抑えるのに慣れているのでは。これまでも、いつも帰ってこない両親や突然の転校の苦しみを誰にもぶつけずに笑顔で耐えることに。
彷徨くんの「バカ未夢」はそれを深く理解しての言葉ではないでしょうか。
根文化祭はいい記念になりそうですね。しかしさりげなく皆すごいコスプレ。
何も知らず明るいルゥくんが、とても痛いです。別れの時、この笑顔が泣き顔に変わるのは見たくありません。でもどうにもならないです・・・
この行進は面白いですね。僕の中学時代、どのクラスでもここまでのことはできなかったと思います。
一人で内心を抑えている未夢ちゃん、すごく寂しそうです。隠すな、という彷徨くんも苦しんでいる、今はそれをぶつけ合うしかない。
「どっちにしたっていつか”この日”はやってくる」と、逃げずにそれに立ち向かう強さはすごいと思います。
あふれる感情、でもどうにもならない状況認識・・・二人にできることは、ただ抱き合うことだけ、というのが切なくて、でも不思議と救われる感じです。
この抱擁は普通の恋愛とは微妙に違うかも。でも、家族として、人間としての非常に強い愛情を感じています。
いつもなら、クリスちゃんに見られたりしたらどうなるかを心配するのですが・・・もうそれどころではないですね。
この時が永遠に続いてくれればいい、と願わずにいられません。でも、こうしていられるのは長くて数分だとも理解してしまっています。

「うるきゅー」先が読めない国際スパイもの、この路線もいいです!この路線でハードボイルドに突っ走ってほしい気もします。
追手に体当たりをかけた多聞は、撃たれなかったのが奇跡のような自殺行為だったのでは。
飛び出そうとして、それをさらに引きずりおろして押し倒すアクションの迫力はすごいです!
あみちゃんの「ドラマや映画じゃないんだから」、この台詞は巻き込まれ系ヒロインの本質ですね。女の子はこの言葉で、マンガだろうがとツッコみつつ一気に乗れるのでは?
この古本・・・ハワイの歴史などについて、この本自体が宝物といえるような貴重な本?それともこの地図に何か機密が隠れているとか?わからなさが好奇心をそそりますね。
そして、その冷たさや激しさが魅力になって離さない、これもある意味巻き込まれ系の基本かも。ぞくぞくします。
ハワイが安全というのは嘘でしょう。アメリカですし。多分アメリカの中では比較的、特に観光地帯の安全性は高い、というのを勘違いしているのでしょうね。
謎の部分にひきつけられるのも、危なっかしくてドキドキしますね。
トモヒロとのあとの再開は・・・さりげないのに重大ですね。
自分のホテルに連れ込んで治療するとは、今の彼女絶対に多聞くんが必死で探していることを忘れていますね。
なんにもしらない、からこそ、この感情は特に女子には直感的に分かるのでは?
で、なぜこの状況に・・・あみちゃんもなぜ隠れたのでしょう。
状況を先に多聞の携帯に連絡しておけば問題なかったはずなのに。あ〜あ、という感じですね。
さあどうなるのでしょう。何か楽しみなようなそうでないような、それ以前に他のみんなの命が心配です。
少女マンガだからそれは大丈夫でしょうが、映画だったらまずあみちゃんとのあちゃんの家族は殺されるでしょうから。

「恋愛向上委員会ジューシーフルーツ」難しい問題に正面から立ち向かう姿勢を感じます。
A.K.さんのケースは、その友達がどういう人なのか気になりますね。絵の印象もあるのでしょうが、いい感じがしません。
暗いケースもあることを描いているのがしっかりしているな、と感じます。実際にはそれも結構多いのでは?

「十二宮でつかまえて」カラー扉のアメリカ娘風の構成、すごく大胆で素敵です!
いきなりすごい・・・新キャラでしょうか、RY|Oは?それとも今回殺されて終わりでしょうか。
エレガントというよりナルシー+耽美のような・・・。
便乗で占いが繁盛する、というのはなんかプライドないような。でもそんなものでしょう。
有名占い師って、確かスターリングは秘密にしなければならないのでは?
ミーハー丸出しのおやじさんの行動はまたヒットでした。
RY|Oの態度は期待通り!この甘くてばらの香りがあふれる感じ、顔が笑ってしまいます。
憧れのお兄さんをずっと忘れていた、というよりテレビを見ていても気がつかなかったって、面白い性格です。
なんかりりちゃんって、記憶喪失とかはないでしょうか?昔のことほとんど覚えていないような感じがします。
ひろりんのさりげない嫉妬が笑えました。
RY|Oのテレビに対する指導は、本来プロデューサーやディレクターの仕事に、それも本来の監督にではなく直接下の人に支持している点で越権行為ではありますが、意地悪という感じはしません。
自分の演出にこだわっているだけで、それはそれで当然ではないでしょうか。ナルシストな雰囲気は反感を強めますが、僕はそれほど悪い感情はありませんでした。
愛月先生の迫力は見事!こういう濃い脇キャラクターの造形はいいです。
この「死神」のカードはかなり深い意味を持ちそうですね。
りりちゃんの身軽なパフォーマンス、あ!そういえば・・・この収録、リハーサルはないのでしょうか。
愛月先生の占いは笑えました!当たりすぎです。プライバシーの侵害、ってそれ当たってる、と言うのと変わらないですよね。
りりちゃんの占いが外れたのは何故でしょうか。愛月先生の占いが当たったことも含め、何かありそうな気がします。
演出から闇の声と重ねて倒れるのはうまいですね。演出の「くだらなさ」を強調するのも、複雑な感情を持たせます。
ひろりんの診断はさすがですが、倒れる瞬間まで何の症状も出さない毒物はあるのでしょうか?そしてどうやってタイミングを合わせたのかも謎です。
例えば霧に紛れて即効性の毒を塗った吹き矢で狙撃、または注射?
アストレアちゃん、すごく素敵です!読者デザインもいいですし、その感じをすごくいい方向で高めています。性格も面白いですね。
そして不思議なのが、襲撃者がどうしてりりちゃんを襲撃したのかです。占いで暴かれる危険を感じて尾行、襲撃したのでしょうか。それとも愛月先生も含め、この番組の出演者は全員殺すつもりなのでしょうか。
ひろりんがどう動くかが楽しみですね。

「B-ウオンテッド」壮大なフィナーレという感じでした。惜しむらくは、確かに後味はよかったのですが死人が出なかった分、軽い感じで終わってしまったことです。中途半端な伏線もありますし。
映写技術まで持っていたとは!大正のBの力に圧倒されます。
やっと見ることのできた宝、でもそれは期待とは違う、その違和感の前にこの輝きはとても虚しく感じられます。
この映像の言葉・・・それに癒される巧の姿に、不思議と胸が暖まります。
かつて大正のBがどうして駆け落ちをし、怪盗としての道を歩んだのか、鳥出家との関わりは、なぜ関東大震災で姿を消したのかなど、謎は多く残されています。僕は大正のBが自分について語ることを期待していましたが、それはそれほど意味がないような気もしてきました。
沙生ちゃんの薫に対する思い、一番素晴らしい宝・・・それだけが強く輝いています。透が背を向けたのは、薫の死を確信して二人だけにしようとしたのでしょうか?
この告白とキスに、心が真っ白になっています。強い思いが伝わってきて、切ないようです。
奇跡に驚いて駆け寄る透がなんだか微笑ましいです。
結婚式までやるとは思いませんでした!全員登場のフィナーレに、胸が沸き立つような嬉しさです。おばあちゃんがご存命なのがなんだか嬉しいですね。善蔵さんと再婚、と恵月先生がゲストしてくれればもっと嬉しかったのですが。
後藤家の子沢山が妙に笑えます。あ、なんとか後藤さんの名前がわかってほっとしています。
この鮮やかなマジックでの逃走、そして宝は自分のものとせずに後の人に夢を託す、これもまたすごい!
無事だった巧の、幸せそうな美しさも印象的です。
本当にすごい傑作でしたね。多分、通して読み返さないとそのすごさは分からないと思います。
惜しいのは、ドラマにならなかったことでしょうか。今のアニメじゃこれは表現できないでしょう。
で、次号すぐに読み切りって、大丈夫でしょうか?多分またすぐ連載でしょうし・・・ゆっくり休んで元気に次の連載を、というのは一番脂が乗っている作家には無理なのでしょうか。

「おとなにナッツ」朝の情景が何を意味するのか、なかなか分かりませんでした。
そして遊馬がいないから、そう分かったとたん・・・寒さを感じました。
肝心の、遊馬が去る瞬間・・・多分学校でのお別れ会と家族パーティ、そして引っ越しの三つのイベントをすっ飛ばして一週間後・・・
体の一部だった遊馬がいない、その重さが学校生活で出てくるの・・・全身の力が抜けて、気力がなくなるような感じです。
多分、好きな人が引っ越したときの僕以上でしょうね。彼女とはクラスも違いましたし、それほど親しくもなかったですし、まして夏海のように生活の全てで頼ることなどありませんでした。
タイムカプセルのカードの件も辛いです。特に、頭を掻いている先生と足だけのシーンが深く心に残ります。
カードをもらいに行く、という理由なしに行動できない・・・理由があっての行動はすごく大胆だけど、自分の感情を深く省察するのは苦手、という夏海ちゃんのキャラクターを美味く動かしていますね。
少なくとも小学校の頃の僕に、こんな行動はできません。自分の金を持つようになったのも中三頃からですし。八千円ぐらいで広島まで行けるはずないだろ、ということも、少なくとも高校卒業ぐらいまでは知りませんでした。
ヒッチハイクって、彼女の諦めるとか親に事情を話すとか考えていない行動力はすごいですね。
テレビでしか知らない、って・・・それ以前に、日本にヒッチハイクの習慣がない事自体彼女は知らないようですね・・・。
いつもピンチになったときに、動きが取れなくなったときに憎まれ口をたたきながらおんぶしてくれた遊馬の大きさが、こういう形だとすごく強く分かりますね。
博士のヘルプはさすが。そして、「そのままいえばいい」この言葉も感動ものです。他に何も必要はないですよね。
そしてやっと、夏海も自分の気持ちが理解できたようですね。はっきり言わずに「遊馬のことが・・・」で止めるのもうまい!
ハカセに抱きついて大好き、これもいいシーンですね!
ドアの前で、期待させておいて出てこない、力が抜ける感覚・・・全部そのまま分かります!僕も好きな人が引っ越してから、住んでいるところを住所のメモだけで訪ねようとして失敗したことがあります。素の時の気持ちがそのままフラッシュバックして、たまらないです。
そしていつも通り、バカ!と叫んだら飛び出してくる、もう胸が爆発しそうなほど嬉しいです。
次号どんなクライマックスなのか、楽しみでしかたありません。

「夢見なサイキック」本当に重いテーマです。
みことちゃんの感情の強さを見開きで表現するの、かなりすごいです!
それに紛れて、危険にはまるで気がつきませんでした。
鬼が副会長だとわかって、しかも学校ぐるみで支配するとは・・・この破滅的な行為に、僕は一種のSOSも感じています。
しかしこの香は怖いですね、テロリストが利用すれば飛行機を原発に突っ込ませることも、守るはずのSPに要人を撃たせることも核のボタンを押させることも何でもできます。
温夜くんを倒したのは・・・副会長ではない?これは挑発でしょうか。少し違和感を感じます。
道を切り開く守護神のみんな、すごくかっこいいです!
わらわらと出てくる連中がほとんどゾンビゲームなのが笑えました。
タイタンの優しさがまた深くて・・・連載開始時点で、僕はタイタンがもっと活躍すると期待していたのですが、これは嬉しいですね。
副会長の言葉・・・「だれでも君の味方か 世の中は本当に不公平だ」これが、心の奥底でどうしようもないほど同感してしまいます。そう、人に好かれること、人を思いやることすら才能があり、生まれつきに近くできる人がいるのに・・・僕はどう頑張っても空回りして傷つけるばかり。泣きたいぐらいです。
温夜くんの心の大きさ、始めて確認した真意・・・ちょっと皮肉な気もします。
暴力でしか、破壊でしか表現できないけれど、選ばれた人間と選ばれなくて見捨てられた人間・・・この違いは紛れもなくあると思います。
副会長の悲しさに同調できない人に、それを責める資格はないでしょう。
人間は皆、自分のポジション・・・「分」に満足することを求められます。普通、大人の条件の一つに高望みをせず、自分の「分」をわきまえてそれに誇りを持ち、満足することがありますが、それは・・・どうしようもないほど強い不満を抑えこんでいるのではないでしょうか。非常に残酷なことではないでしょうか。
まして、親や教師が目で「一番以外意味はない。二番手のお前など駄目だ」というメッセージを伝え続けているとしたら・・・その絶望感を否定することはできないです。かといって、行為は許されないから・・・僕ならただ殺すだけですが。
負け組を否定するみことちゃんの言葉に、僕は真実を感じられません。特に日本では、一度でも失敗したらその「失敗者」のレッテルをはがすことはできないのですから。人間は不公平なんだ、という怒りは・・・確かに幼稚で破壊的ですが、真実を含んでいると思うのです。
みことちゃんの心の底に、どんな憎しみや恨みがあるか・・・非常に卑しい好奇心ですが、見てみたかった気もします。怖いですが。
温夜くんの、まだみことちゃんを拒否する感情も痛いほど理解できます。傷つけたくないから接近しない、僕も基本的にそういう態度ですから。みことちゃんみたいな子がいたら・・・どうするかは分かりませんが。
あくまで帰らない、会いたいとぶつけてくる心、これは・・・もう受け止めないほうがひどいでしょうね。
最後の一言を言えずに倒れたのが、すごく不安です。もしかしたら香の影響を受けてとんでもないことをしないか・・・それはないにしても、温夜くんがどれだけ素直になれるか、不安で仕方ないです。
なにより、副会長の絶望をどうすることができるのでしょう。僕には全く分かりません。

「みるくSHAKE!」甘いクリスマスですね!これが期待通りの転換点になるか、次からが楽しみです。
ウメ先輩のツッコミは強烈!
しかしC3って、洋品店とか布屋とかから布地を仕入れているのですか?この背景の街はどこなのでしょう。馬喰町の問屋街ですよね!まさか、普通の店で仕入れているとかはないと思いますけど・・・
問屋からの信頼できるルートを確立せずにやっていたのでしょうか。それより何より、今クリスマスの企画を?はるか前から企画を立てて材料を調達しておくべきだったと思いますが・・・。
フランボワーズの買い占めがなくても、クリスマスシーズンに白い素材は早くなくなるのは当たり前では。
悪の女帝には笑えました。
そして工場側に対する返答、多分これからは・・・それが正しくなってしまうのでしょう。
今までの回想に入るのはなんだか後ろ向きですが、それはそれでいいですね。ローカルな方法での入手には少し首をひねりましたが。
フランボワーズの自壊は意外でした。僕ならいい気味だと笑い飛ばしますが、それをしないのがまた少女マンガですね。
でも、余計屈辱的でしょうね。逆に恨みが深まる可能性もあります。
宙也先輩の登場は、ベリーちゃんから見ると相当残酷だったと思います。すべて見ていた、と・・・役立たずと面罵されるよりきついでしょう。
今回のこれで、むしろ関係者はC3とフランボワーズの合併の可能性を考えてしまう気がします。資本力からいうと、勢いとしてC3が吸収されると考えてしまうのでは?
あにまくんがプレゼントを隠したの、すごく胸が温かくなります。
このプレゼントもドキドキでした。床で真っ赤になっているアップルちゃんが笑えます。

「どこでもハムスター」銘酒だとおもったら賞味期限切れブドウジュースに大爆笑!そういう目利きって、なんだかかっこいいですが外すと本当に間抜けですね。

「スイート・リベンジ」思ったより早い進行ですね。
やはりこの母親!ものすごい邪悪さを感じています。ステージママとしての手腕・・・多分、茉耶さんが引退、自殺した理由はこの母親のエゴでしょう。
不思議なことに、沙羅に対する視線にも憎悪しか感じないのです。
違う、と・・・この追いつめる残酷さに胸が痛みます。尋人も、多分・・・察してしまって、嫉妬が「復習への協力」という言い訳になっているのでしょう。
この憎悪が何なのか、純粋に愛する娘、茉耶を奪われたからだとは、僕には感じられません。
そんな手本を示され続けてきた沙羅ちゃんには同情しようもないですね。
出てきてはいませんが、父親はむしろ良識ある人なのでしょう。
この薬に、なぜか白雪姫など童話の毒薬使いを思い出しました。そして、イメージとして・・・「くるみと七人のこびとたち」のサザーヌの姿が重なって見えます。ああした形で、深い邪悪を描き切ったからこそこの、美しさの影にある夜叉を描けるのでしょう。
撮影でおねえさん、という言葉を言ってしまったのは、気づいてほしいと言う悲鳴でしょう。
憎悪が爆発した目を、カメラで受け止める彼には言葉が出ません。
あ、この毒入りのドリンクを飲ませようとして・・・止めたシーン、「ベルサイユのばら」を思い出しました。
でも、行為は同じでも・・・カップを叩き落としてからの行動は「ベルばら」とは違いますね。自責に駆られて泣きながらすべてを告白するのではなく、笑ってしまうのが・・・
沙羅のトラウマ、「だめな子」と常に茉耶と比較されてきた、心を殺され続けてきた・・・やはり魔女ですね、あの母親は。
それからやっと解放された、でもそれは・・・事実上死を意味している、そんな悲しさを感じます。
苦しい・・・って・・・あ、尋人なら多分、沙羅が毒を盛ることには反対したでしょう。彼女が犯罪者になることもそうですが、人を殺す苦しみや重さなど愛する人には味わってほしくないはずです。手を汚すなら自分が、と思っているのではないでしょうか?
逆切れして叫ぶシーンは始めて、年齢相応の子供らしい感じがします。
彼の、感情を消し去った表情と無言で立ち去る行動、そして沙羅の・・・笑いながら泣く表情、もう心が空白になります。
かかった毒入りのドリンクをなめて、自分の目を潰そうとする行為がまたすごく色っぽいです!
もう、次号のクライマックスで・・・僕に言えることはただ一つ、死なないでほしい、それだけです。

「電脳少女Mink」まだ、このまま終わるには早い気がします。なにより、まだ先輩は「みんく」ちゃんのことを個体認識もしていないのですから。三角関係にもなっていないのに、ここからどうするのか・・・
時空管理法って・・・法は不遡及が原則なのに。あ、時間ではなく因果関係を用いるように法理そのものが変わったのでしょうか。
話し合いを考えずに抵抗する姿勢もおかしい気がします。みんくちゃんたちは、初めの「WANNA-BE」使用こそ無知であり、例えば露店などでモデルガンやエアガンに紛れていた実銃を拾い、おもちゃだと思い込んで発砲、人を射殺してしまった子供と同様罪は軽減されるはずですが、それ以降・・・オムくんから説明を受けて以降の使用は故意であり、当然責任を負うべきです。
ただ、未来の法を適用していいか、少年法は・・・そういう問題こそありますが、本質的ではありません。
いきなり銃を向けるのは許されない、それはまあ確かに。でも最初は銃口を向けていなかったのにとびかかった、それを警告射撃、これは・・・現在の日本警察の職務規定からは外れていますが納得できます。
やはり「WANNA-BE」を持ち込んだのは鏡でしたか。「バーチャルガールも同罪」、というのは少し横暴な気もしますが、それは未来においてバーチャル名存在の人権が認められていないからでしょうか?
司令の説明は不十分だと僕には感じられます。未来における法運用を説明していませんし、裁判の形式もとっていません。未来においては適正手続原則(刑罰を科されるには、合法的に逮捕されて合法的に黙秘権を認められ、拷問なしに取り調べられ、合法的な、自分を弁護でき、弁護士の助けを得ることができる、証拠はすべて自分と弁護士が確認できる、判決は警察、検察ではない合法的な第三者、裁判官または陪審員が決める、できるだけ公開された法廷で法に基づいて決定されねばならない)はなくなっているのでしょうか。
初めのうちオムくんの説明で皆が心配していたように、みんくちゃんたちやモトハル先輩も含めた生身の人間を消去することはしないようですね。おそらく、問題が大きくなりすぎて・・・Minkを知る人間全員を消去することは事実上日本人の大半を虐殺することと同様で、受け入れられなくなったのでしょう。記憶を消すほうが合理的でしょうね。
でも、ならなぜ「WANNA-BE」が持ち込まれた時点まで戻って、みんくちゃんがそれを手にする事自体を阻止しないのでしょう。そうすれば全てなかったことになるのに。その時間帯は鏡によってロックされているのでしょうか?
話し合いではなく決定事項、というのも・・・なんとなく、軍事裁判のような横暴さを感じます。
身辺整理も何も、不可能です。テレビ局などのスケジュール、膨大な関連産業・・・どう整理するのでしょうか。
僕は「身辺整理」は12月31日をもって引退するようスケジュールを調整しろ、と解釈できると思うのですが、Minkたちは全くそうは考えていないようですね。
それに、第一バードミュージックはどうなるのでしょう。Minkなしには確実に潰れていたのですから、今存続している事自体がおかしくなります。
Minkの必死で掃除する行為に、僕に似た「誠実さ」の回路を感じます。
しかし、Minkちゃんは・・・なぜ、Minkが消えたら消えたで、あとは「みんく」として先輩に会いたいと思わないのでしょうか。前に、もうMinkには頼らないで、負けないでみんくとして自信をつけ、先輩の前に立ちたいと決心したのでは?あの決意はどこに行ったのでしょう。
感情を抑えるので精一杯なのが、なんだか悲しいです。モトハル先輩も多分分かっていると思いますが・・・「十二時になっても消えないよな」が切ないですね。こいつ、野生の勘はすごいですから。
あ!しかしみんくちゃん、一体どうして全てをモトハルに話して相談しないのでしょう。すべての記憶はどうせ消えるのですから、別にいいじゃないですか。
飛び散るお菓子と夜景、このシーンの輝きも目に残ります!
自分を灰かぶりと思ってしまう、魔法のかかった自分しか先輩の眼中にないことを、悲しむこともできない・・・あの、百合の花火に誓った心はどこに行ってしまったのでしょうか。
鏡が完全に心を開いているの、まるで子供のようですね。
忘れない、と何度も強調していますが・・・とうぜん、「みんく」ちゃんたちからも全ての記憶は消し去られるはずです。虚しいですね。
でも、本質的に芸能界というのは・・・目が覚めたら覚えてもいない、夢のようなものではないでしょうか。五年前のテレビをだれが覚えているでしょう。
最後のコンサートは本当に美しいです。たまらないですね。そして、この別れの言葉・・・切ないです。本当にシンデレラですね、まるで。でも、王子様は探してくれないし、ガラスの靴も残らない。
いや、残るのでしょうか?片方のガラスの靴が、鏡の尽力で。それを期待したいのですが・・・って、来月号で最終回ではない、これからまだしばらく続くのでしょうか。考えてみるとそれもできますよね、これから「みんく」ちゃんとモトハルくんの話を描くことは!Minkの面影を追い続ける彼を優しく支える「みんく」ちゃんが、やっともう一度だけ変身する機会をもらって告白・・・という感じでしょうか?この予測がいい意味で外れることを期待しています!

「も〜っと!おジャ魔女どれみ」魔女ガエルを魔女の姿に戻すって、絶望的なことではないでしょうか。これほど多くの魔女が魔女ガエルの姿のままなのですから。
もしかしたら、今までだれもそのレベルにはたどり着いていないのでは?

来月号、ここ数年なかった大量最終回で・・・その次がどうなるのでしょう。えぬえけい先生の読み切りもですが、予告が楽しみです。二月号からは「ザ・ネクスト2」の優勝作品は決定してですから枠はあと二つ、いや三つ!えぬえけい先生のすぐ連載はいくらなんでも過酷でしょう。可能性が高いのはあゆみゆい先生、武内直子先生、そして・・・!どうなるのでしょう。待ちきれません。

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