なかよし1999年11月号

やられた・・・・

これ以外に言葉はありません。見事に騙されまくりました。

「ぜんまいじかけのティナ」かわいいっ!なんかもう、胸の奥からきゅううっとします。なんでもかんでもぜんまいを巻かなければならない、その代わりに全ての存在に命がある・・・いい世界設定です。流石、ですね。ちびちゃん達も最高です!すっごく可愛い。シャマちゃんの可愛い身振り、かえる姫のほっぺと口調、パンプー・・・なんなのでしょう、この昂揚感と嬉しさは。Dr.ヘンケラーも面白いキャラですね・・・悪役のようで悪役ではない、という微妙な線を巧みに表現しています。でもこの研究所、Dr.マ0リトの研究所に似た感じがしますね。この機械のデザインもすごく面白いです。そしてティナのボケぶりと来たら・・・もうたまりません。この先生の講義、量子力学を本気で使うとしたら大学の物理学科で多分三年以降になると思いますけど・・・確か二年ではまだ水素原子をやったかどうかで、三年がフェルミオンとボソンの区別やスピンを中心、だったと思いますから。すごくハイレベル・・・講義自体には・・・量子化学は取っていないですが、多分意味はないと思います。ひとむかし滝の、水墨画か何かのような簡潔な描線も言葉にならないです。そしてこの男の子・・・ロビンがス0フキンのコスプレをしているようですね。

「だあ!だあ!だあ!」相変わらず沈着な奴。でも、もう彷徨も今までのような、完全性欲&恋愛欲除去キャラではなくなりましたね。今後はただのむっつりスケベと化す運命・・・三太くんのさりげないスケベのほうが共感できます。でも運がよかった、この崖で助かったのは奇跡ですよ。打撲、でも閉口骨折を一応疑って冷湿布と副木・・・100点満点。装備も完璧に近かったようですね。ナイフと崖を降下できるロープがあれば完全でした。おかし・・・この未夢ちゃんの思いやりもいいです。彷徨の笑顔がなんだか印象的です。彷徨くんの怪我で大騒ぎをしてなにを集めてきたのか・・・参考までに、薬は持ってくるべきですが、まず洗浄、清潔なガーゼで覆うこと。次に止血と解放創の消毒に使えるのは、止血の妙薬としてジャイアントパフオール・・・竹林や草原にある、真っ白なボール状のキノコがあるのですがまず見つかりません。セイヨウノコギリソウ(ハーブ名ヤロー)、オオバコ、ゼニアオイ(ハーブ名マロー)などが使えます。タイムやミントが自生していればいいのですが、日本のフィールドではあまり期待できませんから・・・消毒&気つけ&不安解消用に、ここでは法律無視でウイスキーのポケットビンを持っていれば安心ですけど。そして、突然お互いに意識する・・・もう未夢ちゃんは顕在化でしょうか?彷徨も今までのような無反応ではないですね。ワンニャーの「あやしい」も強烈です。

「ワーキング娘。」これでまずやられました。夏ランから、僕は彼女が・・・完全無敵とばかり思っていました。まさかただの単細胞、いってしまえば馬鹿だったとは。でもなんか、徹底して法律を無視しているような・・・。それにしてもエンコーがなかよしで公認される時代になったとは、時の流れは酷いですね。そして・・・当たり前のこと(援助交際は結局自分が損をする、端的に言えば歴史上搾取無き売春など存在しない)を偏見とさりげなく言ってしまう、それもすごいですね・・・。そして、巧の「カンタンじゃないし甘くもない」これを夏ランで言っていれば、あれほどまでに議論を巻き起こす事もなかった・・・全て計算通りですか、完全に手の平で躍らされただけ・・・。本当に、やられた。そしてすぐこうして、オヤジの人気を集めてしまうスーパーガールでもある、そこがなんだかすごいです。華月のからかいテクとなにげ人情も大した物です。そして当たり前の事ですが、一番肝心な事・・・女子は男性の腕力と、一種の殺気には絶対に敵わないし、その恐ろしさも知らない。夏ランではそこの事も全て知った上でもてあそんでいるかのような描写でしたが、まさか本当は分っていなかったとは。夏ランでのイメージだと・・・殴り倒した上で「二十万ぽっきり?百億持ってこい」くらいはいいそうでした、けど。このさりげないナイト・・・借金のためでしょう。でも、一番肝心な問題・・・一億円の利子は絶対に学生のバイトでは返せない、その事を言っては元も子もないですね。ついでですが、ふと気付いた事・・・この話で、さりげなく売春のもう一つの本質、宗教のある段階に必ず存在する神聖娼婦に通じる癒しの側面も、おぼろげで不統一ながら描かれている印象がありました。鋭い。

ふと気付きましたけど、なかよし新人まんが賞の審査員陣、いつのまに大幅交代したのでしょう。

「うるきゅー」元気ですね。高校の文化祭、か・・・恋愛の階層分化(もてる奴はとことんもてる、もてない奴にとって恋愛はマンガの中の話で相手はゲームキャラなど二次元だけ、という時代だそうです)もここまで見せ付けられると残酷です。もう住んでる世界が違うの一言。そしてこの新キャラ、結構強烈ですね。いまさらもしかしなくても、あみ&のあ、とことん男運が悪いか男を見る目が無いのでは。この昔のアタックの強烈さ・・・それもすごいですけど、「二人まとめて相手してやる」・・・やめとけ。本気で死ぬ。そして・・・この二人も、昔、ときましたか。でもこいつ、絶対カリスマの意味間違えています。(WEBSTR'S ENCYCLOPEDIC UNABRIDGED DICTIONARY OF THE ENGLISH LANGUAGE,96)1.(Theology)a divinely conferred gift or powre 2.a spiritual power or personal quality that gives an individual infuence or authority over large numbers of people 3.the special virtue of an office, function, position, etc.,that confers or is thought to confer on the person holding it an unusual ability for leadership, worthiness of veneration, or the like.というわけで、本来は神としての力なのですが。しかし、こいつがここまで取り乱すなんて・・・何が起きるのでしょう。

「おジャ魔女どれみ」そりゃあ・・・幼いほうが異界との接触はしやすいですから、それだけ魔法も使える道理で。面白そうな新展開です。

「カードキャプターさくら」言葉にならないですね。皆のあまりの気高さに。全て理解しながらからかい役に徹する知世ちゃん、何よりも深く思いやるが故に告白できない小狼くん、全てを察している桃矢・・・。この、銅像の馬に「樹」が破られたのは、金克木、金属製の斧は樹を切り倒す、五行思想です。馬そのものの五行の属性は覚えていませんけど(ド無知)。だから、金属だから金の属性、としたら火克金、火が金属を溶かすですから「火」が正解なんです。雷も風も確か木の属性ですから、本来は効かないはずです。力でねじ伏せたのでしょう。知世の忠告も、感動ものでした。相手を信じろ、愛される重荷を背負う強さはあると・・・。

「スマイルでいこう」思ったよりあっけなかった・・・僕がひかるなら、こいつ・・・耳と鼻削ぎ落として以下自粛。でも、これでやっと気持ちが通じ合うとは。そして、こんな形での別離とは。

「B-ウオンテッド」あ、そういうことですか。こけました。やられた第二弾です。でも、つかまれた腕を外すのは女性用護身術の基礎の基礎では・・・。親指側に自分の腕をてこにして力をかければ必ず外せます。でも今回の盗み、本格的です!いいですね、この異常な警備システム・・・これこそ怪盗ものの醍醐味ですよ。この幻想の、一瞬の美しさは神秘的なまででした。そして、二人の気持ちのすれ違いが・・・今後どんな形になるか、楽しみがまた増えました。

「恋愛向上委員会ジューシーフルーツ」確かにこれは辛いです。昔パターン分類でも分析しましたが、親友での三角関係では特に優先権がやっかいなのです。

「電脳少女☆Mink」すごい、ですね・・・そこまで簡単に命を賭けられるなんて。二人だけのプロダクション、というのも切なくていいです。口説いているのか仕事の話をしているのかは、わかりませんけど。そしてMinkとみんくの、{キャッツのジレンマ}とでも名付けましょうか?自分と三角関係、しかもそれを明かせないという展開ですね・・・。そしてこの秘密主義も、なんかどこかで聞いた事がある話ですけど人気を更にあおりそうですね。キャラクターも出そろってきました。しかもイリヤくんともそんな形で。そしてMinkちゃんの天然ボケときつい愛純ちゃんコントラストがなんかいいです。しかもフォローの字が読めない、というのも笑えます。そしてこの歌の表現・・・本当に、やられた。

「トップオブザワールドな人たち」なんなのでしょう、これは・・・。体が勝手に机で殴る礼弥ちゃんも相当なものです。嘘がつけないも何も、前回公開告白しているようなものなのに、意味が無い気が。なんだか礼弥ちゃん、徐々に天然凶暴キャラになってきそうで怖いです。それにしてもこのキャラクター、凄まじい存在感ですね・・・。「おとなしいカオしてスゴイと見せかけてやっぱりおとなしーじゃんと思ってたらスゴかった」これ、なんだか物悲しいまでにおかしいです。そしてこのオチ、やられた。

「ほしいのはひとつだけ」梨花の恐怖に理性を取り戻す桐子・・・おねえちゃんとして生きてきた義務、悲しいです。理屈ではおかしい、物で恋愛感情を何とかできるものではない、次元が違うとわかっていないはずは・・・そんな、理屈ではないですね、感情というものは。それがかえって切なくて、ものがなしいです。「妹にこんなわがまま」あたりまえですよ!単純に恋愛感情は理性で制御できない、ただそれだけで、わがままもなにもない、当たり前です!その事を何とか言ってやりたい、不思議と、あれほど近づき難く見えた桐子さんが可愛く思えます。だから恋愛感情そのものを抑制する、無駄な抵抗と・・・傍観者である事が、むしろ悲しく思えます。そして矢野の述懐・・・。

「水曜日のスケッチ」文字通りやられたの一言!パターン上当たり前なのに、なぜか一回目に読んでいた際には死んだと思い込みました。そして胸が潰れる所を、どれだけパターンがわかっていても、そんな先読みを許さずに感情を完全にコントロールされた・・・やられたとしかいいようがないです。この夜這い同然の言い訳、強烈。死が目の前に迫っているとしたら、これも心に突き刺さります。人はそれから逃避しているから、普通に生きていられるのですが。人生に終わりがある、それを本当に受け入れるのは難しいものです。ましてそれが若いうちでは・・・。この三つ編みにすがって相手を求める、心のスケッチブック、息もできないほどすごい表現です。でも一体、なぜ騙されたのか。このパターンについては詳細な分析はまだですけど、知り尽くしているはずなのに。敗北宣言。

来月号はGH、それも主上(という表現が一般的なようです)書き下ろしオリジナルストーリー、大変なもので。でもこの構成でいいのでしょうか。去年は同時期、若手作家の読み切りを連発していたのに・・・。

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