1999年10月号

徹夜で頭が痛いです。もう、なかよし発売日の徹夜は当たり前になっています。

なかよしも発売されましたね。今回、いろいろな意味で爆発しました。

「B-ウオンテッド」、今回はいい話・・・に見せておいて、一気に緊迫させてきました。この最上と言う奴・・・昔夢に生きていて、でもそれを汚してしまって、だからこそまた夢を追い続けて・・・情熱で視野が狭くなり、その過程で人を踏みにじる事に痛痒を覚えなくなっている、悪役の典型的なパターンの一つ{改心可能性あり夢追い人タイプ}ですが・・・でも魅力的です。でも今回の、アイドルの悩みを描いて、それも上手くカタルシスに持っていったものです。「あたしも盗んで」この言葉、強烈でした。コンサートのシーン、タッチチェックしたら・・・悲鳴ものでしたね。この演出も見事、よくもまあ・・・ここまで華麗に。

「ワーキング娘。」ええと、法的には二重三重の間違いが・・・。彼女に返済義務が一切ない事は間違いないはずです。未成年者には連帯保証人になる法的権利がないですし、労働基準法で14歳での強制的な労働も違法なはず。しかし、この・・・一般社会の常識や倫理を吹き飛ばして、逆に資本主義の倫理に徹した姿勢・・・新鮮すぎるのでしょうか?ついていけない分、逆に大ヒットの予感がします。僕としては、水上先生には本来の、「強くなる」「魂の触れ合い」をテーマに連載して欲しかったのですが・・・。この、軽妙なコミカルさを使うしかなかったのでしょうか・・・。

「おジャ魔女どれみ」ロマンチックでいい企画です。優しい感じが最大限に出ていて、とても気持ちがよかったです。

「カードキャプターさくら」今回・・・前回の余韻が深く心に染み入ってきました。もう少し、ですね。きっともし今、小狼くんが告白しても・・・受け入れると思いますけど、今はその必要さえないです。このままゆっくりと、さくらちゃんの魂のつぼみが膨らんでいくのを・・・待つとしましょう。パパがすべてを察していた、というのも何か感激でした。指切りのスキンシップでどきどき、これもとてもいい感じのエピソードです。そして小狼くんの必死で心配、逆に精一杯お礼をしたい、というさくらちゃんの誠意、この通い合いと・・・それを優しく見守る知世ちゃん、いいですよ。こんなにも皆に感謝できる、これってとても素敵だと思います。二人の浴衣もとても似合っていました。

「だあ!×3」今回はすごいスリルでした。ただ残念だったのが・・・最悪の白地に紺の印刷に当たってしまい、効果などが半減していた事です。今回の彷徨の冷静な指示とリーダーシップ、そして鋭い洞察力・・・これはすごすぎでした。でも、誘拐犯が・・・この程度の人間でよかったです。最後に皆が集まってパニック、ここで・・・「八時bn」の、前半の集団コントが終わる、水がそこら中から噴き出たりするシーンの音楽、「チャーン・・・ッチャララッチャ チャラッラッチャッチャッ〜」を思い出したのは僕だけでしょうか。

「スマイルでいこう」胸が痛い!でもその分、この後に・・・大きなカタルシスがあるはずと、僕は信じています。佐伯も・・・かなり強烈なキャラクターですが、洞察力がないといいますか・・・これほどの輝きが見えないなんて。でも本当に、このフィルムを捨てるシーンは・・・読者が騙されている事を知っている、というハンデの中では的確な、読者の心をえぐる描写です。二人の心のすれ違いも、やはり見ていて痛々しいですね。ひかるが嫉妬のあまり笑の夢を理解できない、笑は夢で視野が狭くなりすぎていて、それが変形のマインドコントロール状態になっている上、防衛的になりすぎているし、逆にそれでひかるも素直に心配できない・・・泥沼ですね。それが「ぜんぶ気に入らない」という、絶対的な拒否だと思い込んでしまって、その誤解を解く言葉もない・・・しかも嫉妬で言葉が出ない、八方ふさがりにさえ見えます。これをいかに解くか・・・心配で、同時に楽しみでもあります。

「電脳少女Mink」怖いですね・・・情状酌量も責任能力も少年法も何もなく、問答無用で消去とは・・・未来は地獄なのでしょうか。公平な裁判を受ける権利は基本的人権でも最も大切なものの一つなのに(少年法では保証されていませんけど)。もどせない・・・OSの再インストールさえ通用しないのでしょうか?そしてこの騒動、これも恐ろしいですね。この、モッくん・・・僕はてっきり、ソフトを持ってきた未来人だと思っていたのですが、違うとなると・・・あのソフトは一体どこからなのでしょう。そして男の子のカッコよさ・・・相変わらず強烈なまでです。変身シーンもとてもかっこいいです。これ・・・予感がします。

「トップオブザワールドな人たち」可愛い初恋・・・それが「ゴミ箱あさりとプライバシーの侵害と窃盗」とは・・・言われてみれば、ああっ!折角あの娘と家が近所(ブロックは違うけど道一つ隔てた隣)だったのに、何であの頃・・・ゴミ箱が情報の宝庫である事さえ知らなかったのか!まあ、そんなこと考えもしない人間だと信頼されていたから、一回部活で疲れたらしく、僕に荷物を預けてくれた事があったのでしょうが・・・。この「コマしていい権」意味分っているのでしょうか。分っていますね。「既成事実」とか「子作り」とか言っていますもの。この集団野次馬も、うるさいですけどおもしろいです。「ほのかなコマシ心」これも笑えました。剣崎先生も・・・久しぶり、否実質始めて登場なのに・・・なんか哀れを誘います。歌舞伎先輩の強引な理論武装で覗きを正当化、これも笑えました。二人ともカラオケ苦手で間が持たない、というのも、なんかこの二人・・・くっついたらくっついたで・・・どうなることやら。命令・・・と言っても、「私を抱け」ってわけにもまさかいかないでしょうし、これでいいですね。

「水曜日のスケッチ」言葉にならないです。初めから、この不思議な暗さ・・・それでいて、いつもの繊細な切り口の、青春の空気も健在ですが・・・より、痛みさえ走るほどのリアリティを持っています。なぜか、あの頃の感情や気分そのものを直接ぶつけられたようです。言葉のキャッチボールから、これだけ気持ちが伝わってくるとは・・・。心の動きの描写も見事ですし、微妙な伏線の組立てから最後に一気に緊迫感をもたせるのも・・・この微妙なフォーム改造、一体どうなるのでしょうか。次回を思うと胸が痛みます。

「呪って@あっこちゃん」またしても突然の連載終了、いつも振り回されっぱなしです。伏線もなにもなしで、強引な気もしますけど・・・。愛の王国とは、一体どんなものなのか・・・それも気になりますね。そしてこの落ち・・・・・・・・・言葉が出ないです。

「ほしいのはひとつだけ」この痛みに満ちた描写、強すぎます。ベッドの仲で梨花が泣いていて、おねえちゃんは何も知らずに眠っている、これがあまりにも痛いです!恋って・・・どうしてこう、意志でも理性でもどうしようもないものなのでしょう。それを赤い靴で象徴する、全てを破壊しても止められない恋、言葉にならないです。哲太とも・・・ついにこの時がきましたね。もっと引っ張るか、とも思いましたけど、やはり哀れな・・・。まあ、その分夏コミで出した小説本「Dunk Like Lightning」(なかよし男子バスケドリームチームIN大和台{「コンなパニック」卓巳&竜次、「デリシャス!」一臣、「空よりもたかく」七緒、「RsR」竜也、そして哲太}VS新生湘北)で活躍してもらっていますし。あれで哲太を活躍させたのは、この失恋の・・・せめてものなぐさめのつもりなのです。でも、これでやっと、単なるスーパープレーヤーではなくて・・・傷を心に秘めた人間として描く事ができます。まだ完結していない以上、キャラクターとして余り作ってはまずいのですが(それ以前に来月号で車椅子にならない保証もないですし)。

「恋愛向上委員会ジューシーフルーツ」プチストーカー・・・そんな言葉もあったとは。この裏技もなんか、激しいですね・・・。こうして手管を使われたら・・・・・・・・。

「スーパードールリカちゃん」これほどの感動、初めてかもしれないです。泣いてはいませんが、嬉しさのあまり走り回りたかったですし、胸が破裂しそうなほど満たされて・・・。リカちゃんの慈愛が直接伝わってきて、この作品・・・結果的に、十何年か後、読者が母になってからの日本をある意味救うような気さえしています。抱きしめてあげる対象を・・・人形から自分の子供、それは容易ですし、現代の社会で傷ついている子供や大きな子供(アダルトチルドレン)もこうして、リカちゃんの腕の中で再生できたのですし・・・。そして・・・この眠り姫、もう言葉にならない美しさです!こんなに美しいハッピーエンドが・・・。こんな奇跡を用意してくれていたなんて。結婚式でのカトちゃん、一体何歳なんですかねえ。スタイルよすぎですし、エレガントすぎますよ。NEWドールリカちゃんも可愛いです!このまま、昔の傷を忘れて・・・いっぱいの愛情の中、すくすくと育っていって欲しいものです。そして、そして・・・・・・もう言葉にならないです!なんだか自分の思いが通じたよう。以下に強くダイに感情移入していたか、改めて分りましたね。悲鳴をシーツを噛んで押し殺し、以下略の静かな大騒ぎを起こしてしまいました。本当にこの企画、始めは・・・折角の逸材を潰す気かと危惧していましたが、ここまで成功するとは正直予想していませんでした。それだけの素質と努力、ですね。でも・・・企画のスタッフも含めて、まさしく奇跡が起きた、そんな気がしています。この経験を活かして、次・・・本来の独特の神秘性を使いつつ、適度に売れる要素もある、バランスのいいオリジナル作品を望みたい所です。

11月号は「うるきゅー」再開にあゆみゆい先生の新連載ですか・・・やはりオリジナルではなかったのが残念、ですが、原作は明貴美加・・・確か「銀河お嬢様伝説ユナ」のコミック版で原案として紹介された方、です。それ以上のプロフィールは知らないのですが、ユナのメインスタッフだとしたら・・・期待大です!今度こそアニメ化、そして・・・一体どんなファンタジーになるか、もう全く予断を許さないですね。さあて楽しみ!

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