あべゆりこ

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作風概説

 二十数年に渡って書き続けられている傑作四コママンガ、「わんころべえ」の作者。

 かわいらしく、ころころした感じのデフォルメ動物が主人公。春の日だまりのような明るい暖かさとたんぽぽの花や綿毛のように平和で穏やかな感じがあり、爆笑することはないが優しい気分になる。
 人間の持つ勝手なところもある程度描いているが全体は深い善意にあふれ、アニメ版のムーミン谷をぐっと甘くしたような優しい空気に包まれている。


代表作

76〜「わんころべえ」何度か単行本化、アニメ化されている。
 週刊少年ジャンプにとっての「こち亀」以上かもしれない、「なかよし」の象徴と言っていい四コマ作品。永遠に続く世界はなかよしっ子全員のもの。擬人化された可愛らしい犬等の動物の、わんころべえとその恋人しめちゃん、二人の仲を邪魔するライバルちゃん、小さくて気が弱く、教育ママに閉口しているハリネズミのはりおくん、のんびりと大きなよこづなちゃん、万年独身のやぎ先生などが織り成す平和な田舎の学園の毎日。


今までの実績、現在の地位

「なかよし」の象徴であり、ネームマスコットでもある。本誌増刊全てに休載もなく長年掲載され続けている。最近の「なかよし」は四コママンガをなくしていく傾向にあるが、この作品だけは絶対なくなることはないだろう。なくなったとしたら、もうそれは「なかよし」ではない。

 何度か、比較的短期間ではあるがアニメ化もされている。単行本もあるが、4コマゆえ何度も一巻が出ては間もなく絶版になるようで、全作品を一望できる機会はない。

 また独特の似顔絵を描く力があり、長年にわたって「ふろくコーナー」のカットを描き、ふろく担当編集者を温かく親しみやすいキャラクターにしている。また星占いコーナーも担当している。


個人的な感じ

「なかよし」を初めて読んだ時から、無論そのはるか昔から当たり前のようにそこにあった。空気中の酸素のような、普段は気付かないがもしなくなったら生きていけないだろう、というような存在。
 一度、なんとか文庫などの形で全作品をまとめて見てみたいものだ。また、もっと注目されていい存在だと思っている。「なかよし」読者だけが独占するにはもったいないぐらいの名作でもある。