あゆみゆい

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作風概説

 高い現実感を持つ絵は「なかよし」でも最高!正確さ、品、可愛らしさ、透明感、内面から服にさえ移る色香、引き込まれるような奇麗な線で的確にキャラクターの内面まで感じさせてしまう実在感、嘆息するほかに無い。

 原作つきに強く、なかよしの原○男と言っていいかもしれない。尚、オリジナルでも読み切りやファンタジーに名作がありストーリー能力、ギャグなど実力全てにおいてほぼパーフェクト。特に初期短編を見ると、すばらしく深い表現もできることが分かる。


代表作

1991「卒業−泣かないで−」
 卒業式、今日だけは泣きたくない美晴。隣の大樹が、入学当時に比べて大きくなっていることを思い出す。
 とても気の合う喧嘩友達の彼とはよく噂されたけど、そんなんじゃないと思ってた。自分と大樹、それに堀田くん、橋爪くん、まゆみに杏子、みんなで楽しくやっていきたかったけど、修学旅行の夜杏子が大樹くんに告白していいか聞いたとき、やはり友達だと答えて…胸に小さな痛みが。
 それからつきあい出した大樹と杏子に遠慮して、どうしても大樹の進学先が聞けなかったり、胸の痛みは強くなってある日…でも、それも今日で終わり。
 優しく的確に思いの変化をつづっていった三角関係の傑作。

1991〜92「うぇるかむ!」(原作;吉村杏)単行本全二巻、原作者による同名の小説版が講談社X文庫ティーンズハートより刊行。
 両親の離婚で母の故郷、ブルーベリー村に行った花音。
 豊かな自然と人々のぬくもりの中、彼女の感性と優しさ、ひたむきさが森を守り、傷ついた人の心を癒していく。

1994〜95「ようこそ!微笑寮へ」(原作;遠藤察男)単行本全五巻。
 全寮制の微笑学園に入学した間島麻琴。ルームメイトのアイドル志望の美笛&クールなトラブルメーカー、さよりと楽しく過ごしているけど、気になるのはサッカー部のルーキー、同じ名前の誠のこと。学園青春の傑作。

1996〜99「デリシャス!」(原作;小林深雪)単行本全七巻。
 アイドルを夢見る野々原りんご、やっとオーディションに通ったけれどもそれはなんと料理番組、でも料理なんて全くできない!とりあえず幼なじみの料理少年、一臣の助けを借りてがんばってます。共演の憧れのアイドル、石坂真人とも仲良くなって…
 料理の楽しさと登場人物の成長を鮮やかに描いた傑作。りんごの徹底的な鈍感さと一臣の悲惨さがとても楽しい。
 またサブキャラクターの松岡三千代ちゃんが最高!特に一臣が三千代ちゃんの自分に向けた秘めた恋心を知り、三千代ちゃんの労った言葉を受けてきっぱり「ごめん」と断り、「りんごちゃんになりたかった」と本音を漏らす彼女に「松岡は松岡でいい」とその存在を受け止めるくだりは本気で涙が出そうになった。

1992〜98「チム・チム・チェリー!」「るんるん」連載。単行本全三巻。
 ヴィクトリア朝ロンドンのある家に虹に乗ってやってきた、不思議な一族の小さな乳母、チェリー。
 マクレガー家の子供たち;チェリーと同年代、美形だけど知識の固まりで恥ずかしがりやのロビン、おしゃまな双子のメグとリズ、まだ赤ちゃんのロッテを相手に愛と夢を与えるため、まだまだ未熟だけど魔法と愛、根性で日夜奮闘中!愛に満ちた最高傑作中の最高傑作。

1999〜2001「ぜんまいじかけのティナ」(原作;明貴美加)単行本全三巻。
 人にも物にも何にでも、ぜんまいで保たれる命がある世界に、ある日ぜんまいの無い旅人がやってきた!コミニュケーションの難しさと素晴らしさを巧みに語る、可愛らしいキャラクターいっぱいふしぎいっぱいのファンタジー。

2003〜4「明日のナージャ」(原作;東堂いづみ)単行本全二巻。
 アップルフィールド孤児院で育ったナージャはある日、母の形見のブローチを狙う悪者が孤児院に放火したことをきっかけに、旅芸人のダンディライオン一座に加わって旅に出る。
 昔助けてくれた「星の瞳の王子さま」や怪盗黒バラの面影、そしてまだ見ぬ母を捜して世界中を回る旅…開かれた運命の扉の向こうには何が?
 世界名作劇場作品の要素をうまく集めた子供向けアニメのコミック版。 


今までの実績、現在の地位

 90年代ほぼ全体で正統派四番打者のトップレギュラーとして全話カラー扉の連載を保ってきた。ほとんどが原作つきであるのも特徴。
「ぜんまいじかけのティナ」終了後少し本誌連載を休み、増刊でオリジナルのファンタジーが少し入った読み切りを描いていた。

 2003年度に外部企画のコミック版としてだが、ファン待望のアニメ化も達成した。


個人的な感じ、思い出

 初めて買った「なかよし」に載っていた「うぇるかむ!」から魅せられた。男性ゆえ背徳におびえ、少女マンガに警戒心を持っていたのを見事に打ち砕かれ、心を揺り動かされた。あの空の高さは今でも目に焼き付いている。
「ようこそ!微笑寮へ」では特に危険な転校生、悟に激しい恐怖感を感じている。あの底知れぬ虚無を宿した、冷酷で凶悪なのにカリスマに満ちた言動、中学生の頃の筆者が彼に出会っていたら、間違いなく人格を吹き飛ばされてカルト信者のように盲従していたはずだ。
「デリシャス!」ではサブキャラクターの松岡三千代に恋愛感情さえ抱いた。

 初期読み切りにも傑作が多く、好きな作品がいっぱいある。

「チム・チム・チェリー」にも惚れ込んでおり、どんな形でもいいから復活を待望している。例え魔女っ娘ものアニメとして、魔法のバトン付きでも!「チム・チム・チェリー!」や初期作品、最近の読み切りの文庫化も希望している。

 待望のアニメ化は嬉しい反面、オリジナルでなかったのが残念。今度こそ!