現在の傾向

本誌読み切り オムニバスコミックス 増刊、別冊付録 大量新人 外部作家 Chu-Girl  傑作児童小説

本誌読み切り

 2016年後半ごろから、オムニバスコミックスがめっきりでなくなりました。
 かわりに、新人の本誌読み切りが異様に多くなっています。
 増刊どころかコミックスすら出す体力がない、本誌だけで連載と新人育成の両方…
 末期を通り越しています。
 以前の方がまだまし、また思うことがあるとは…

ムニバスコミックス

 2012年から、増刊なしの「なかよし」が定着してしまっています。
 増刊に事実上替わっているのが、ホラーを中心としたオムニバスコミックスです。
 以前から、「地獄少女」の関連プロジェクトとして、読者から原案を募集して、優秀作を新人作家が作品化する単行本は時々出ていました。
 それに、「いじめ」を題材としたものや、時には恋愛・感動話などをいれたオムニバスコミックスが徐々に増加しています。
 実際には、年六回かそれ以上のペースで、六人がフルサイズの読み切りを書けるオムニバスコミックスと本誌新人読み切りの多さは、増刊があった一時期よりも新人作家の持つページ数は多いのです。
 ある時期の増刊は半分以上が本誌連載の番外編で占められていたこともありましたから。
 現状の短所は、オムニバスの大半がホラーやいじめであり、正統派の学園恋愛ものを描くチャンスがほとんどないこと。本誌はそれほどホラーが多くないので、せっかくホラーで培った実力が本誌で活きてこないこと。ホラーが苦手な作家にはチャンスがないこと、などです。

刊、別冊付録

 2011年、まず初夏ラブリーがなく年五回が四回?と思わせました。
 甘かったです。秋ラブリーで、「ラブリー休刊」というお知らせ。
 それも、これまでとは違い、かわりになんという名前の増刊が出る、という予告は何もなし。
 増刊での連載の、本誌連載作家がやっているのは本誌で引き継ぐし、「夢水」は「ゴーストハント」同様単行本で書き下ろす…
 さらに、よく見れば本誌の、新人賞募集要項では、特選はそのまま本誌連載、以下は本誌またはコミックスに掲載、と…
 これからどうなるのか、僕の日本語読解力は、間違っていて欲しいです。

 2006年になってから年四、そして2007年からは年五回に増えた「なかよしラブリー」はシリーズがかなり多くなりました。
 大きく成長し、毎回登場していながら本誌連載枠があふれていて上がれなかった水無月真(以下敬称略)、高上優里子、ゆみみがシリーズを始めましたし、以前からの「私立ヤバスギ学園」、本誌から移った「きららプリンセス」などもう読みきり枠よりシリーズ枠のほうが多い状態です。
 こうなると、どうしても新人作家の読みきりが少ないのが不満になってきます。
 まあ、本誌連載番外編や、あまつさえ人気連載第一回の再録に占領されるよりはましなのですが…

 増刊の構造自体はこれまでの「〜やすみランド」から「ラブリー」になっても、版型やページ数は変わっていません。
 一ページでも増やして欲しい僕にとっては不満ですが、低価格に抑える方針のようです。

 別冊付録はここ数年完全になくなりました。「ザ・ネクスト」系の企画がないのはとても残念です。最近本誌に新人作家の読みきりが出ることが、年に一度ぐらいはありますが、本紙連載に繋がることは少ないです。

部作家

 今の「なかよし」は完全に外部作家が優越しています。コゲどんぼ、安野モヨコ、そしてPEACH-PITほどの大物ではないにしても、比較的細かめの外部作家が多数登場しているのです。
 2010年ごろからはタカハシマコら多数の外部作家が登場し、本誌連載を二つか三つは占拠している状態が続いています。無論作品が面白いのですからそれでいいとは言えそうですが。

 またここ最近、「なかよし」本誌や増刊、別冊付録などに不意に外部作家が出現することが妙に多いです。
 2004年の夏ラブリーに、一度登場はしていますが定着することはなかった牧村久実が出てきました。作家としては本誌レギュラーになってもおかしくはない格の作家なのですが、本誌連載を始めるのかこれからたびたび増刊に出るのか、それとも一度出ただけで登場しないのか…少しいぶかしいことです。犬木加奈子を中心とした別冊付録も同様と思われます。
 それはいいのですが、不思議なのがこげ、安野、牧村のように高い知名度のない、なかよし新人賞受賞者でない作家が、それからのラブリーでたびたび登場するのです。咲良あさみは増刊の登場頻度が高く、本誌にも記事カットで参加するなど真摯な有望新人といえるポジションです。
 増刊ではショートギャグでも西本英雄、山本ルンルンが突然登場してきます…
 これは一体どういうことでしょう。
 増刊の枠は以前より増えたとはいえまだまだ少ないことには変わりありません。貴重な枠を、定着しない外部作家のために使って欲しくはない…まあその外部作家も定着し、本誌連載にまで出てヒット作を産まないとも限らないのでもうしばらく様子を見ないとなんともいえませんが。

 まあ、全く情報がなかった小鷹ナヲが、増刊に登場してすぐディズニーとのタイアップ企画「きららプリンセス」の作画でいきなり本誌連載を取りましたから、この不意の新人の流れ全体がそのためだった、と考えられなくもないです。

量新人

 2002年から2004年までの新人大量デビュー、これも「なかよし」の最近の歴史では大きいといえるでしょう。
 2002年が十人、2003年が六人、2004年で九人。しかも現在は四コママンガがないのです。以前にも多人数の新人がデビューした年はありましたが、たいていバランスを取るように次は二人程度の少人数になりました。この人数は明らかに多いです。
 また、きわめてまれな新人賞特選受賞(遠山えま、以下敬称略)が出たり、なかよしまんがスクールのゴールド賞が以前の新人賞ノミネートではなく直接デビューとなり、それから山田デイジーがデビューしたのも印象的な出来事でしょう。
「りぼん」はもっと、という人もいるかもしれませんが、「りぼん」とは増刊・本誌読みきり枠の数=新人を育てるマイナーリーグ、幕下の試合機会の層の厚さがあまりにも違うのです。

 それから時間が経過し、別冊付録や増刊が増えた今振り返ると、やはり大量新人の多くは登場機会を失っています。反面、有望な若手や新人は別冊付録で優先的に枠を与え、しっかり伸ばしているようですが(即本誌連載に至った遠山えまは例外)、本誌連載はがっちり枠が固まってしまって参入余地がありません。

 結果、ここしばらく様子を見た限りでは、大量新人がデビューする以前から活躍し、本誌までもう一歩と見られてきた中堅作家陣がほとんど消えています。しかも本誌連載から卒業したと思われるベテランも出番がない状態です。
 それによって大幅な若返りができたことは確かですが、反面戦力がかなり薄くなった感じもあります。
 結果、本誌連載陣も増刊も一気に全とっかえしています…ポーカーのオールチェンジのようなものです。それがどれだけもったいないし、危険な事かは言うまでもありません。

 大量新人の全員がえぬえけい、種村有菜のように天才的な即戦力であれば話は別ですが、即戦力となったのは遠山えまだけでしたし、2005年10月号現在では本誌連載に入ったのは桃雪琴里だけです。

 新人作家を大量にデビューさせるなら本誌連載経験がないこれからの作家の読切枠をもっと増やすべきですし、それがどうしてもできないなら「ちゃお」のような少数精鋭でデビューさせた作家を確実に育て上げのが合理的ではないでしょうか。「ちゃお」も本誌の読み切りや別冊付録が充実していますから、現在の「なかよし」が育てられる新人は一年に三、四人が限度だと思います。畑が狭いなら過剰な苗を植えるな、植えるなら畑を広げろ、ということです。
 苗代が狭くてもいい苗は畑で育てている、というのは暴論です!
 苗をたくさん植えてたくさん間引くのは、感情的に許せないだけでなく合理的に考えても無駄が多いです。間引かれるまで消費される枠を少数精鋭新人を育てるのに向けたほうがはるかに有効でしょう。

Chu-Girl

 2005年、「まったく新しいティーンズコミック誌」「こんなのはじめて!U-15最強恋愛コミック誕生」というふれこみで、「なかよし」 「別冊フレンド」 「デザート」 の三誌合同姉妹誌として、Chu-Girlが創刊されました。とりあえず八月に第一号、次は冬の予定です。
 本質的には、「ちゃお」と「少女コミック」の共同編集姉妹誌で今度月刊化される「Chu Chu」と同様のコンセプトでしょう。
 創刊号の巻頭カラーはフクシマハルカ(以下敬称略)、原明日美、征海未亜など「なかよし」の実力作家もいますが、末次由紀など他誌の作家も多いです。直接的な性描写は控えられていましたが、かなりセックスを意識する作品が多かったです。「なかよし」作家ファンにとっては違う面も楽しめたのですが…

 雑誌自体の印象は、特になかよし作家以外の作家の作品からは、あまりにも男子女子ともに身勝手で残酷な人物が多すぎ、それこそ「デザート」が砂漠の意味を持つようにすごく乾いた感じで、正直悲しくなりました。
 かすれた印象の絵が多かったことも「砂漠」「荒地」の印象を強めたのかもしれませんが、よく考えると中学生以上を対象にした「少女マンガ」ではそちらがスタンダードであり、「ちゃお」「なかよし」「りぼん」に閉じこもっている僕のほうがおかしいのです。

 残念ながらChu-Girlは末次由紀の盗作騒動の影響もあったか、一冊限りで終わったようです。

作児童小説

 最近、講談社青い鳥文庫などの児童小説の傑作シリーズを原作とした連載が多くあります。
 はやみねかおる「名探偵夢水清志郎事件ノート」えぬえけい、令丈ヒロ子「若おかみは小学生!」おおうちえいこ、そして本誌連載で池田美代子「妖界ナビ・ルナ」。
 どれもきわめて人気・評価とも高い作品であり、コミック化を担当した作家も本紙連載経験のある実力派作家をそろえています。
 結果、「夢水」は本誌連載ではなく増刊を主な掲載場とするにもかかわらず講談社漫画賞を受賞するなど圧倒的に高い評価を得ています。
 この路線はどんどんやってほしいですね。

戻る

もえるごみへ

ホームへ