野村あきこ(のむら あきこ)

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作風概説

 迫力のある、それでいて柔らかさもある素晴らしく美しい絵。色々なタイプの超美少女を配するのが得意。
 その点、まあ偶然かもしれないがある作中の親友同士が某超有名ゲームの主役を食って続編にも出た娘とその親友に似ている気がするなど、ギャルゲーの影響が強い?
 少女誌とは思えないほど女子キャラクターのスタイルがよく、大人の色香とロリ殺しの両方ができる。

 ストーリーは軽く見えて心理的にかなり重く、精密なプロットを元にあっと驚くようなどんでん返しを決めてくれる。ただし、恋愛面は少しあいまい。

 正統派学園恋愛ものにスポーツ、ファンタジー、そしてサスペンスと話の守備範囲も広い。
 心理エピソードが細かく、キャラクターを凄く大切にするため、とても実在感が高い。女の子三人組を特に得意とする。


代表作

94「ガールズ・ブラボー!」
三人組の一人、明日香の恋を応援するため同じバイトに行く事にした羽純と美秋。でも、その彼は羽純の中学時代の天敵、上田悟志!
 ある日、また悟志と羽純がけんかになって、でも互いに反応が微妙に違う。それに、一年前は明日香がちょっかいをだされている、その場所に自分がいたはず。美秋も急におしゃれするし。男の子も女の子も内面がものすごくカッコよく、また青春の希望と切なさが深く伝わってくる最高傑作。

95「やまとなでしこ同盟」単行本全一巻。
 長身、金髪、がさつなしゃべり方などの外見だけで不良扱いされる坂吹良子ちゃん。逆に何もかも完璧、容姿端麗成績優秀駄目押しに家が金持ちの宗元忍に昔、コンプレックスの種だった髪の色をきれいと誉められて、それ以来好きだけど期待もできないと思い込んでおり、時々彼がちょっかいをかけてくるけど期待していない。
 でもある日、校門に二人の女の子が待っていた。優等生で眼鏡が似合う、ついでに巨乳でプライドが高い知的美女、落合あかねと元気で可愛くハイテンションで一日中食べているのに太らない瀬戸椿が宗元に声をかけられた良子を連れて甘味処、大和撫子へ。そこで抜け駆け禁止の紳士同盟を結成する。
 でも忍を婿養子に狙う名家も動き出して。どこぞのゲームに出てきそうな超美少女三人組+1は必見!

95〜96「プライベートアイズ」単行本全三巻。
 全寮制の聖園学園女子高校、清宮里花ちゃんに待望のルームメイトが。でもその転校生、森村時緒はなんと男!さらに学園のアイドル、浅見さんも実は仲間で女装男と判明。そのルームメイトの碧さんも加わって学園を揺るがす陰謀を暴くため、いくぞ美少女(?)密偵団!
 危機また危機のスリル、二転三転する筋、深く心に残るテーマ、ギャグとシリアスのバランス、全て極上の最高傑作。里花ちゃんの可愛らしさと温かい心、碧さんの美しさも心に残る。それと男が同室で過ごす、という設定もそれ自体凄まじい。

97〜98「JOKER」単行本全二巻。
 家が銭湯で、番台で演歌を歌って小遣い稼ぎをしているエリーこと中園江梨衣ちゃん。学校で、文化祭実行委員長として盛り上げようと企画を考えているうちに、市堂くんがライブ喫茶を提案する。厳しい学校の裏をかき、バンドのギターをしている市堂くん、市堂くんのバンド仲間で噂があるヴォーカルの浦川さん、ベース経験者のとーま、そしてエリーの兄、ヒロさんでにわかバンドをぶち上げようとする。
 でも当日、浦川さんが来なくて急遽エリーがヴォーカルに!ライブそのものは大成功、即興でバンド名も「JOKER」とつけてセカンドライブを企画する。ピアノの天才、桜井春夜もキーボードとして加え、もっと楽しく、もっと激しくいろんな曲を歌っていきたい!
 ハチャメチャで、そしてひたむきなストーリー。話の展開が激しく、また互いを支えあう男女を通り越した友情に感動できる。

1997〜2000「倫敦館夜想曲」主に「Amie」で連載されたが単行本は「なかよし」から。
 大正十年のある秋、寿神奈、乙彦姉弟が同級生で倫敦館のお嬢様、与謝小路瑠璃香の誕生会に招かれた。乗り気ではない神奈だが、留学から帰ってきた彼女の従兄と瑠璃香の婚約発表を聞いた直後、瑠璃香の両親が殺害される。
 軽妙なユーモアも入れるが全体に悲しいトーンが漂う、そして人を愛することの重さが深く心に突き刺さる最高傑作。


今までの実績、現在の地位

 

「プライベートアイズ」で大ブレイクしたが、それ以降安定した長期連載がないまま突然姿を消した。

 最近、ネット上で引退宣言。確証はないが、間違いないと思われる。

 今なお人気は圧倒的で、特に男性読者の支持は絶対的なものがある。


個人的な感じ、思い出

 以前の「るんるん」連載も好きだったし、本誌に登場してからの作品には女の子のスタイルと美しさに虜になった。中でも「やまとなでしこ同盟」の坂吹良子には完全に恋愛感情を持ってしまった。もっともっと続けてキャラクターを色々動かしてほしかった。

「プライベートアイズ」もどうしようもなくはまった。あまりに危険で男子にとっては羨ましい設定に興奮したのはもちろんだし、キャラクターの素晴らしさ、話の奥深さなどに夢中だった。なぜOVA 化しなかったのか残念。

 その後の作品も面白かったが、決定的なヒットがなかったのが残念。
 マンガに限らず、どんな形でもその絵や話をもっと見たい!

 登場が無い事、そして引退宣言はこれまでに無いほど残念・・・お疲れさまでした、素晴らしい作品をありがとうございました。絶対に忘れません。これからの人生に幸あらん事を・・・。